福岡女学院大学短期大学部が60分週2回授業を開始してすでに8年になります。この取り組みが第14回FDフォーラム(主催:大学コンソーシアム京都)で取り上げられました。このフォーラムの第1分科会「1単位45時間学習実質化の光と陰」にて,准教授 植田 正暢が60分週2回授業の現状について話しをしました。
日本の大学が直面する問題
現在,日本の多くの大学が1つの科目を90分週1回で行い,その授業回数は13回程度です。ところが,「大学設置基準」に厳密に則ると学期あたり15回授業をする必要があります。大学における教育の質の保証という点でこの問題が近年注目されるようになり,多くの大学がその対策を急いでいるところです。
60分週2回授業のメリット
福岡女学院大学短期大学部では,すでに2000年の時点でこの問題に真摯に取り組み,2001年より60分週2回授業を開始しました。これにより90分週1回授業の問題点が改善され,学生は3つのメリットを享受することができます。
- 90分週1回授業よりも学習時間が34%多い
- 週2回授業があるので,前回の授業で学んだことを覚えている
- 授業回数が90分週1回授業の2倍になるので,教員やクラスメートとより親密な関係になれる
さらなる取り組み
1単位45時間学習の問題は,授業の実施回数の問題だけではなく,自学習をしっかりしているかどうかも問われます。 15回の授業以外に,1回の授業を受けるための予習や復習,課題などに取り組む時間として4時間程度(60分週2回授業の場合,1回の授業に対して2時間程度)することが「大学設置基準」で定められていますが,この問題に対する取り組みとして,現在,多読プログラムを全学規模で実施したり,eラーニングを充実させたりしています。
HP担当者 | ニュース | 2009.03.05 Thursday