サンフランシスコ留学体験記−−San Francisco SPCAを見学して

今年の春に短期大学部英語科の短期海外語学研修奨学金制度を利用して,アメリカ・サンフランシスコに留学した坊野さんの留学体験記をお届けします。


spca1.jpg  この留学では,語学学校に通いながら,保護された動物の扱いが日本とアメリカでどのように違うのかを学ぼうと思いました。私が始めて動物保護について興味を持ったのは,小学4年生のときです。『この子達を救いたい』という本を読んで,動物虐待の実態や,たくさんの犬・猫が毎日保健所で殺されている現実を知り,人間の行っていることに対して疑問を持ちました。その後,様々な本を読んでいく中で,私が生まれ育った福岡県は,保健所での動物の殺処分数が毎年ワースト3に入っていることを知り,大きなショックを受けました。そんな私がSPCA(編者注:SPCAとは,Society for the Prevention of Cruelty to Animalsの頭字語(acronym)で,「動物を虐待から保護する組織」という意味)の存在と活動内容を知ったのは,高校3年生の時です。市の交流訪問の一環として,サンフランシスコの隣街のオークランドに滞在していた私は,現地の人の話から,その施設の素晴らしい取り組みを知りました。残念ながら,その時は見学することが出来なかったので,いつか機会があれば絶対に見学したいと思っていました。

声  今回の留学でその機会が巡ってきました。San Francisco SPCAを見学するために事前に何度か電話をしたのですが,連絡がつかず,直接センターに出向いて予約をとるというハプニングがありましたが,無事,見学することができました。見学の日,まず驚いたのは,その大きさです。広大な土地には,動物病院を含め,様々な施設がありました。私が特に感心したのは,センターに保管されている分厚いファイルです。そのなかには,センターに保護されている猫や犬の性格や特徴などが事細かに記され,センターの方によると,それを基に里親探しをするのだということでした。たとえば,元気な犬なら,散歩の時間や一緒に遊ぶ時間をしっかり確保してくれる家に託し,おとなしい家ならご老人の家に預けるといった具合です。私が見学したときは,新しい動物病院を建設している最中ということもあり,忙しそうでしたが,スタッフの方もボランティアの方も,活き活きと働いていらっしゃいました。spca2.jpg実際に保護されている動物たちと対面した時,私を案内してくれたステイシーさんが,一頭一頭に向かって話しかけながら歩いていたことが,たいへん印象に残っています。このセンターではほぼ100%の割合で里親が決まると聞いていましたが,その理由が分かったような気がします。たくさんの人にたっぷりの愛情を受けて育つ動物たちは,まっすぐな目をしていて,そこには日本の保健所にある「ガス室」の影が全くありませんでした。センターにいるすべての子が,少しでも早く家族を見つけられますようにと,願わずにいられませんでした。

 これ以上不幸な動物を増やさないために,私たちに何ができるのでしょうか。SPCAの取り組みをそのまま日本に持ってくることは今すぐできないと思いますが,去勢・避妊を徹底することであれば,今からでも可能です。SPCAのスタッフの方々が口をそろえて,その重要性を説いていました。私は日本の動物保護団体に所属しようと思っています。そこで,私がアメリカで学んだことを活かすことができればと思います。

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HP担当者 | 学生の声 | 2008.07.22 Tuesday

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