アイルランドの現在と過去にふれて:アイルランド留学体験記

今春,短期海外語学研修奨学金制度を利用してアイルランドに留学したYさん。アイルランド滞在中は,語学学校で学びながら,積極的に史跡や美術館,博物館を見て回りました。今回は,Yさんの留学体験記をお届けします。


pict20091001.jpg 私は、今回の留学のテーマとしていた「アイルランドとケルト文化」について知識を深めるために、アイルランドへ短期留学をしました。留学中は、語学学校に通い、英語でのコミュニケーション能力を高めることができました。語学学校のスタッフの人たちは、とても親切でアットホームな雰囲気でした。生徒同士もとても仲良く、一緒に、サッカーの試合を観戦し、パブにも行きました。

アイルランドとケルト文化について調べるために、私は、語学学校のアクティビティやバスツアーを利用するだけでなく、授業が終わると毎日友人と一緒にダブリン市内を歩き回りました。訪れた場所の1つが、ダブリン最古の教会、クライスト・チャーチ大聖堂でした。歴史のある教会ということもあり,中の装飾はとても美しく,成人の描かれたステンドグラスやケルト十字のレリーフ,床にはケルト神話で神聖な動物とされる猪のモザイクがあり,ケルト文化とキリスト教の調和が感じられました。pict20091001-4.jpg教会内にはアイルランドの守護聖人の1人,聖ローレンスの心臓がハート型の小箱に入れられて,聖遺物として保存されているのに驚きました。

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また,それ以上に驚いたのが,1681年にイギリスで殺された聖人オリバー・ブランケットの頭が実際に置いてあったことでした。語学学校のスタッフがこの聖人について話しをしてくれた時,ファーストネームが同じということで,オリバー・クロムウェルについても話しをしてくれました。クロムウェルはアイルランド人の大虐殺を行った人物で,アイルランドの人たちは彼のことを今でも恨んでいるそうです。ブランケットが聖人として今でも敬われているのと対照的です。

pict20091001-2.jpg 週末に語学学校のエクスカーション(小旅行)で北アイルランドに行くことができました。北アイルランドは一歩郊外に出ると,どこまでも続く緑の丘で,羊たちが草を食んでいる自然豊かなところでしたが,内線の傷跡が残る悲しい場所でもありました。首都ベルファスト近郊にはカトリックとプロテスタントを隔てる壁のある地区があります。内乱の悲惨さを忘れないようにするために描かれた壁画などがあり,同じ国の人々が争いあった悲しい雰囲気が漂っていました。内乱の歴史を学んだことで、なぜ平和であることが大切なのかということの本当の意味が理解できたような気がしました。

pict20091001-3.jpg 北アイルランドで宿泊した村では,夜,村に2軒しかないパブに行き,伝統的なアイリッシュ・ダンスを踊りました。現地の酔っぱらったおじさんたちが,恥ずかしがる私たちの手を引いて楽しそうに踊ってくれて,生まれて初めてあんなに楽しく踊ることができました。北アイルランドのエクスカーションで,知らなかった現代のアイルランドについても学ぶことができました。

私はこの留学で,日本では学べない多くのことを学び,体験することができました。自分のあこがれていた国が本当にすばらしく,何度でも訪れたいと思える国だったことが何よりもうれしかったです。

HP担当者 | 短期海外語学研修奨学金制度 | 2009.10.02 Friday

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