講演会「シエラレオネは今」

 福岡女学院大学短期大学部では,2008年5月13日にシスター根岸(根岸美智子さん)による講演会「シエラレオネは今」を開催しました。講師の根岸さんは,「御聖体の宣教クララ修道会」からシエラレオネ共和国に派遣され,1976年から現在まで会の運営する学校で教育援助活動に携わってきました。その間に,1991年に勃発した内戦(〜2002年)を経験し,自身も銃口を向けられる危機的状況をくぐり抜けてきました。

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 シエラレオネは西アフリカに位置し,電気も水道もほとんど普及していない国で,学校に通う子供たちの中には給食が唯一の食事になっている子供もいるのが現状です。そのような物質的に貧しい国であっても,根岸さんは「生きる喜びがあるところ」と語っています。いつも死と向かい合う生活を送るシエラレオネの子供たちは,生きていることの喜びを感じ,日本人の子供たちよりもずっと幸せな顔をしているとのことです。
 内戦では,会が運営する学校も大きな被害を受け,そこを通っていた子供たちの多くも心と体に深い傷を負うことになりました。その悲惨な状況について生々しく描写されたあと,そこから立ち上がってきたシエラレオネの未来を示す,ある子供の言葉を紹介されました。
「自分のおばを殺した元反乱兵がパンをくれと言ってきた。腸が煮え返る気分だったが,じっと我慢して与えた。もし殴っていたら,戦争は終わらないから。」

HP担当者 | 学内イベント | 2008.05.19 Monday

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