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2013年01月20日

「百読百鑑」レビュー 『高瀬舟』森鴎外 by belle

浪漫主義文学の先駆者であり 活発な評論活動で知られる森鴎外が、54歳の時に書いた本作は、『安楽死』と『自足(自分で自分の必要を満たし足ることを知ること)』をテーマにしたものである。

主人公の喜助(きすけ)は、自殺を図り絶命寸前の弟に「自分を殺してほしい」と頼まれる。喜助は、弟の頼みのまま殺してしまい『弟殺し』の罪で遠島の刑を申し渡される。彼は、護送舟「高瀬舟」の上で、同心庄兵衛に自分の心境を聞かれ語る。庄兵衛は、喜助の告白を聞くことによって、喜助の自足の境地を知り感嘆すると同時に、彼の「殺し」が罪なのかどうかという疑問を抱く。

現代の観点から見れば、喜助の行為は、自殺幇助という列記とした犯罪であろう。しかし、鴎外の時代には自殺幇助という概念は存在せず、喜助は弟を殺した『人殺し』として裁かれる。喜助のとった行動は果たして正当だと言えるのだろうか。

私は喜助の行動は正当なものではないと考える。喜助のように、私にも弟がいるが、その弟が自殺を図り苦しんでいる姿を目の当たりにしたら、まず、弟を助ける。日頃顔を合わせれば喧嘩ばかりするような弟ではあるが、自分の弟に代わる人はいないので、何も考えず本能のままに弟を助けるだろう。喜助と喜助の弟、2人のおかれた境遇が決して良いものとは言えないけれど、私が喜助であったならば、弟に「自分を殺してくれ」とどんなに頼まれたとしても絶対に殺さない。とは言え一方では、喜助の行動は正当なのではないか、という考えもある。同心の庄兵衛は喜助の行動を、弟をこの世の苦しみから救うためにと、弟当人の最後の望みに力添えしただけなので、罪には問われないのではないかと考えている。

喜助も喜助なりに考えてとった行動だった、と言ってしまえばそこまでだが、実際にこの物語を読んでみて、友人との高瀬舟話に花を咲かせてみるのはいかがだろうか。

投稿時間:2013年1月20日 09:54 | 固定リンク

2013年01月20日

百読百鑑レビュー

 

「百読百鑑」レビュー

本学科を選んだ学生さんは本好きの方ばかりです。私たちスタッフは、そんなみなさんと本の話で盛り上がれるのでとてもうれしく思っています。大学だからそれは当たり前と思われるかもしれませんが、実際はなかなか作れない環境です(三十年近く大学で働いていて実感します)。本当にうれしいな。

さて、そんな本好きの学生さんにとっては、次のレベルの話となりますが、私たち学科スタッフには、教養の基礎としてどうしても触れておいて欲しい作品があます。学科は、それらの作品を、「百読百鑑」というタイトルをつけて、リストアップしています。これは、百冊の本と百の映画・演劇の鑑賞という意味です。

「言語芸術学科TODAY」では、<「百読百鑑」レビュー>というものがこれからアップロードされていきます。これは、2013年度入学の言語芸術学科の学生さんが、「百読百鑑」リストから作品を選び、その選んだ作品について書いたレビューです。

どうぞ楽しんでください。

投稿時間:2013年1月20日 09:51 | 固定リンク

2013年01月18日

ネットラジオ作りませんか?

言語芸術学科新入生のみなさんへ

言語芸術学科英語担当の上田です。

以前も書いたのですが、私の専門分野はStylisticsで、英語小説の文体を研究しています。最近はそれに飽き足らず、日本語のオーディオドラマの制作などをしております。昔はラジオドラマなんて呼ばれていたものなんですが・・・とにかく、音だけによるドラマのことです。毎週5分程度のものをインターネットに配信しておりまして、今年で4年目となりました。

4月より言語芸術学科がスタートしますが、この活動を少し本格的なものにして、以下のような内容のネットラジオを学生さんと作ってみたいと思っています。


 <番組内容> 基本的には学生さんと計画します。
 ラジオドラマ
 学生さんがDJの学科の番組
  学生さん主体のインタビュー番組
 学科からのニュース
 など。

みなさんの中で、もしこういったことに興味がある方がいらっしゃったら、2月10日までにosamu?fukujo.ac.jp(上田のメルアドです。?を@に置き換えてください)までご連絡いただけますか?


もちろん興味のある方だけで結構です。参加希望者が一人でも二人でもいて、二月か三月に具体的な活動が始められそうでしたら、計画を立てたいと思います。

投稿時間:2013年1月18日 22:01 | 固定リンク

2013年01月18日

連載記事 サークル活動体験記

 学生生活では、サークル活動に打ち込むことは、授業やゼミに参加して勉学に励むことと同じくらい大切な時間の過ごし方です。サークル活動の中では、人間心理に関する現象も沢山体験することができます。一生懸命取り組むことで、“大切な何か”を得ることができることでしょう。心理学科の学生の皆さんに、サークル活動について自分たちの体験を語ってもらっています。

 

【これまでに掲載されているサークル】

 サークル活動体験記(1): ワンダーフォーゲル部

 サークル活動体験記(2): 社会福祉研究部

 サークル活動体験記(3): バスケットボール部

 サークル活動体験記(4): 創作舞踊部

 サークル活動体験記(5): 写真部

 サークル活動体験記(6): 学友会総務

 

【体験のなかにある学び】

 サークル活動を通して、活動している人達は授業とは違う「学び」を体験しているようです。

 どの学問領域でも同じですが、ある領域の学問を一生懸命勉強して、その領域固有な専門知識や技術を身に付けると、それは単に知識として個人の中に蓄えられるだけでなく、自然とその知識や技術がその人の考え方やもののとらえ方、ひいては行動に大きな影響を与えてくると思われます,いわゆる専門性に根ざした考え方、あるいは専門領域に固有な視点、考え方といったものにあたります。

 心理学科では、授業やゼミでは個人の内面を深く識ることや人間関係に関する学びを主に行っています。授業で学んだ「人の心理」に関する知識は、それを知っているだけでも、現実の日常生活や社会的活動のなかで活かされるようになります。さらには、それらは意識することでもっと確実なものとなり、その人固有の視点→個性ともなっていくと考えられます。

 (担当:米川)

投稿時間:2013年1月18日 14:37 | 固定リンク

2013年01月14日

豊後大野市活性化プロジェクトの打ち合わせ

現代文化学科では、「地域を学び、地域に学ぶ」というスローガンのもと、熊本県荒尾市や福岡県遠賀郡岡垣町などの自治体と連携して、地域活性化事業をおこなってきました。現在では福岡県朝倉市の活性化事業を推進しています。

3年生の学生が「九州オルレ」の奥豊後コースを研究したことがご縁で、大分県豊後大野市の活性化をお手伝いすることになりました。

この日は豊後大野市から行政担当者の方が来訪され、ミーティングをおこないました。

DSCF3879.JPG豊後大野市の魅力や抱えている課題について、お話をうかがいました。また、学生からも意見を述べたり質問をしたりするなど、活発な意見交換がおこなわれました。

DSCF3892.JPG次回は学生が豊後大野市を訪れ、調査や研究発表をおこなうことになりました。

※現代文化学科facebookページ↓↓↓もご覧ください。
http://www.facebook.com/fukujogendai

投稿時間:2013年1月14日 12:55 | 固定リンク

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