2013年01月31日
「百読百鑑」レビュー 『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング by えりな
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2013年01月31日
投稿時間:2013年1月31日 21:42 | 固定リンク
2013年01月28日
「点と線」は多くの賞を受賞する作家“松本清張”の推理小説としては処女長編にあたる作品である。社会派推理小説とよばれ、推理小説のブームをまきおこした作品でもある。
安田辰郎は東京にある料亭「小雪」の常連である。ある日、安田は料亭の女中2人を食事に誘い、その後に東京駅まで見送ってもらった際にある人物を見た。それは料亭で安田の係りをしているお時であった。お時は若い男性と話しながら九州の博多行の特急に乗り込んでいった。その数日後、お時は若い男・佐山憲一と香椎の海岸で死体となって発見された。2人は情死と思われた。だが、博多のベテラン刑事・鳥飼重太郎はこれを事件と考え、1人で捜査をすることにした。一方、佐山は社会をにぎわしている汚職事件の関係者であった。そしてその事件を追っていた本庁の刑事・三原紀一は九州に出向き鳥飼に出会う。2人は安田を殺人の容疑者として追及した。しかし、安田には完璧なアリバイ があった。三原はアリバイを崩すべく自らの足で捜査を始めるのであった。
この作品で印象的なのは何と言っても“アリバイ崩し”である。アリバイという壁に亀裂が入ったかと思うとまた次の証拠が出てきて振出しに戻るという事の繰り返し。よく計算されている。特に列車の時刻表を使ったトリックはとても面白い。汽車の出入りする駅のホームでの見えるはずのない汽車が4分間だけ見ることができるという所などよく考え込まれている。また舞台が北海道から九州まで広いことが安田のアリバイを崩すのを困難にする要因の一つになっている。事件が起きたのは福岡。安田は北海道に行っていた。これには三原も読者も混乱させられる。そして、三原の視点で進んでいく話では、安田のみ注目しているため読者は安田が犯人にしか見えない。だが、完璧すぎるアリバイの前では安田は白にしか思えない。
公共交通を使ったトリック。崩せないアリバイ。意外な犯人たちの関係。
推理小説好きの人もそうでない人もぜひとも読んでもらいたい作品である。
投稿時間:2013年1月28日 09:01 | 固定リンク
2013年01月26日
投稿時間:2013年1月26日 15:35 | 固定リンク
2013年01月25日
本学で取得可能なアメニティ関連の資格としては、日本生理人類学会が認定するアメニティスペシャリスト(生理人類士2級)とアメニティコーディネーター(生理人類士準1級)があります。この資格は、色彩やデザイン等の関連分野において、人に優しい製品の開発に携わり、真に健康で快適な生活環境の構築に貢献する人材を育成することを目的としています。
アメニティとは、環境が心理的、生理的に快適で安全であることを言います。この資格は、現代の環境が人間本来の生理機能や心理にどのような影響をあたえているかを検証し、生活のアメニティを豊かにする学問を修めた人に与えられます。
2012年度の心理学科の合格者は、生理人類士準1級10名、生理人類士2級21名の合計31名でした。
(担当:船津)
アメニティ関連資格の取得を目指して勉強している学生の感想:
「私と生理人類学との関わり」
私は生理人類学を学ぶにつれて、日常生活で何気なく取る姿勢や動作は、心身の疲労やストレスに大きく影響していることを知りました。そのため近年では、そのことを視野に入れ、身の回りの製品や空間のデザインのあり方を考慮する必要があると考えるようになりました。
そしてこの度、家具メーカーへ企業研修に伺い、家具デザインを制作させていただくことになりました。家具とは生活全般に関係し、暮らしに重要な役割を果たしており、家具のあり方は人間のあり方にも影響しているものではないかと考えます。生理人類学で学んだ知識を生かし、人間の身体特性を尊重したデザインを考案することが出来ればと考えております。また環境に良く、素材の良さを生かした、温かみや心地よさを感じられるような家具製品の制作を心がけたいと思っております。そのためにも生理人類学の学問により一層励み、知識を深め、私の周りの方々やたくさんの方々が、幸せに暮らしていけるようなお手伝いが出来るよう精進していきたいです。
(2年生 Yさん)
投稿時間:2013年1月25日 11:25 | 固定リンク
2013年01月24日
回想法は、アメリカの精神科医R.バトラーが提唱した心理療法で、高齢者の心理的アプローチの手法としてよく使用されています。この療法では思い出の品や昔の写真などを題材に語り合い、よき聞き手から傾聴されることで高齢者の心理的安定を図ります。高齢者はこの作業を通して、自分の人生の意味や価値を再認識し、人生を肯定的にとらえて、死に対する準備という老年期の課題に取り組むといわれています。
このような回想法を「お話会」と称して、私たち大学院生は近隣のグループホーム2か所で、それぞれ月に1回1時間程度実施しています。お話会では毎月テーマを決めて、そのテーマに沿った昔の写真を数枚用意し、高齢者の思い出話に耳を傾けます。その際写真だけでなく、外出する機会の限られている高齢者のために、草花など季節を感じ五感に訴えかけるような素材を使用することもあります。また季節の童謡や昔の歌謡曲の歌詞カードをカラフルな絵や写真を盛り込んで作り、グループで歌っています。なかなかお話にのってこられない認知症の進んだ方も、歌はよく覚えているようで率先してとても楽しそうに歌われるのが印象的です。昔の歌謡曲など私たち学生は知らないものばかりですが、あえて事前に練習していくということはせず、人生の先輩に教えていただくという姿勢で取り組んでいます。
お話会には学部生にもボランティアで入っていただいていますが、日頃なかなか高齢者と接する機会が少ないためか、月に1回の穏やかで心満たされる時間がとても貴重な体験になっているようです。一度回想法に参加した学生は「すごく楽しかった。お年寄りに元気になってもらおうと思って行ったのに、かえって私たちが元気をもらった。また絶対行きたい」と口を揃えて言います。高齢者の方々も月に1回のお話会を心待ちにしておられ、帰り際には「あなたたちが来ると私たちも20歳若返る。ああ楽しかった。来月もまた来てくださいね。待ってますよ」とおっしゃってくださいます。
回想法は私たち学生にとって気忙しい学校生活の中でほっとできる癒しの時間です。同時に様々な体験を重ねて今日まで生きてこられた人生の達人に敬意の気持ちを抱き、自分たちも今後困難があっても力強く生きていこうと励まされる時間でもあります。このように高齢者、学生双方にとって和やかな時間と生きる力をもたらしてくれる回想法を、来年、再来年、それ以降も絶やすことなく続けていけたらよいなと思っています。
(修士1年 Tさん)
投稿時間:2013年1月24日 11:42 | 固定リンク