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2013年02月12日

「百読百鑑」レビュー 『オリバー・ツイスト』 by ゆーちゃん

主人公のオリバー・ツイストはある事情があって救貧院で育てられることになった。9歳になったオリバーは孤児たちと共に過酷な労働をさせられる。しかし満足できる食べ物などは与えられない。子どもたちはとなりに寝ている子を食べてしまいそうになるくらいお腹を空かせている。

ある晩、おかわりを頼む者をくじ引きで選ぶ。そしてそれはオリバーに当たる。その晩、鉢と匙を手にし賄係りのところへ行き、オリバーは言った。「すみませんが、もっと欲しいんです。」賄係りはオリバーの頭を殴り、教区史に言いつけた。

翌朝、門の外にオリバー・ツイストを引き取ってくれるものには5ポンドの報酬を出すという掲示が張り出される。それを見た煙突掃除夫のガムフィールド氏が 申し込む。だがオリバーは怖くて怖くて怯えた顔をしていた。それを見た老紳士は「こんなことは絶対によくない」と言い、オリバーを救貧院に戻させた。次に 葬儀屋のサワベリー氏が申し込み、引き取られることになるがオリバーはひどい扱いをうける。そこでオリバーは逃亡することを決意する。

その逃亡する先で起こることは本でお楽しみください。

この作品は映画化もされており、とても切ない話だ。オリバーはもちろんかわいそうだが、わたしはスリの窃盗団のフェイギン一味の子どもたちもかわいそうだ と思う。なぜフェイギン一味となってしまったのか。それからオリバーと共に過酷な労働をさせられていた子どもたちの運命はどうなっていくのか。

子どもにこそたくさんの未来や夢が待っているのに、大人たちはひどい扱い、差別をする。しかし、人間は無意識に差別をしてしまうもの。わたしたちも無意識 のうちに差別をしているのだと思う。差別がこの世からなくなればどんなに幸せだろう。しかし、少しでもそう思う人がいるだけで少しでも違うのだと思う。オ リバーが最後に捕まったフェイギンのところに挨拶に行くところは、オリバーの優しさが出ている場面だと思う。常に差別のことを考えるわけにはいかないが、 気にとめることを大事にしたいと思う。

投稿時間:2013年2月 5日 12:46 | 固定リンク

2013年02月11日

豊後大野市活性化プロジェクト:九州オルレ

1月におこなった1泊2日の豊後大野研修は、2日目の九州オルレ奥豊後コースで締めくくりです。10月に訪れた時は秋らしい風景でしたが......

IMG_4510.JPG今回訪れてみたら、すっかり冬の風景になっていました。同じポーズで写真を撮ってみました。

オルレ (19).JPG豊後大野市活性化プロジェクトの詳細は、現代文化学科Facebookでもご覧ください。
http://www.facebook.com/fukujogendai

 

投稿時間:2013年2月11日 11:58 | 固定リンク

2013年02月09日

「百読百鑑」レビュー 『オペラ座の怪人』 by ぴーちこ

 

『オペラ座の怪人』監督:ジョエル・シューマカー。キャスト:ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサムジェラルド

オペラ座の地下に隠れ住んでいる男が、美しい心と声を持つクリスティーヌに出会い恋に落ちる話。

オペラ座の怪人ことファントムは、生まれつき顔に痣があり、それが原因で親に捨てられ見世物小屋で育った。その見世物小屋で日々ひどい扱いをうけていたファントムは、ついに自分を見世物にして荒稼ぎしているその男を殺してしまう。その一連を偶然見ていた、当時オペラ座の寄宿生であったマダム・ジリーはファントムを連れ出しオペラ座の地下で匿(かくま)った。そして時は経ち、ファントムはオペラ座の地下での生活を続ける内に建築やデザイナー、オペラの脚本などをこなす天才へと成長していった。

しかし、そのことを知っているのは当人達だけであった。オペラ座の地上で暮らしている寄宿生や支配人達は、姿は見せないものの脚本などをこなしオペラ座を牛耳るファントムに怯えていた。その上、莫大な給料を要求したり、気に食わないことがあると嫌がらせをするファントムはみんなの疎まれ者だった。そんなファントムであったが、ある日寄宿生としてやって来た美しい声を持つクリスティーヌに心惹かれ、溺愛し幼いうちから歌を教えた。クリスティーヌは、姿は見えないものの優しく歌を教えてくれるファントムのことを天使と呼び、その心安らぐファントムの声に亡き父の姿を重ねながら師として慕った。

ある日、オペラ座に、スポンサーとして幼い頃クリスティーヌと恋人同士であったラウルが訪ねてくる。若くて美しいラウルとクリスティーヌは忽ち恋に落ちていく。その様子を見ていたファントムは遂にクリスティーヌの前に姿を現してしまう。そして、彼女を自分のものにする為に、誘拐したりラウルと戦ったりを繰り返す。だが、そんなファントムをも彼女は受け入れ愛していた。しかし、ラウルを人質にとり、地下で一緒に生きていくことを強要した事で遂にファントムに愛想を尽かしてしまう。そんな彼女を見たファントムは身を引く決意を固め、ラウルとクリスティーヌをそのまま地上に返し自分はオペラ座から姿を消すのであった。

人間は、自分の殻から出ることを恐れ自分以外の考えや選択を疎むくせに、自分の知らない眩しい世界に憧れを抱き殻から出られない自分をも疎みながら生きている。という事だと思う。ファントムの場合は、普通に生活出来ないほどに醜い顔という自分を縛り付ける絶対的要因があり、私の様な平凡な人間とは比べ物にはならないかもしれない。しかし、誰しもいいと思っているからこそ自分がそう有るわけで、自分にないものに興味を抱くものの、それにチャレンジできない事から憎しみという感情に至るまで変貌を遂げるということは、珍しい事ではないと思う。

投稿時間:2013年2月 9日 11:24 | 固定リンク

2013年02月09日

「百読百鑑」レビュー 『風立ちぬ』堀辰雄 by 17

 

「風立ちぬ」は堀辰雄の代表作で、結核文学の最高峰に位置する小説。作者の堀辰雄は肺結核を患い、軽井沢で療養することも多く、そこを舞台とした作品を多く残した。

 若妻節子が結核を患い、自宅での療養生活から始まる。結核は当時不治の病だったのでサナトリウムという隔離病棟で生活する。院長の診断で療養は1、2年という見通しとなり、節子の病状があまりよくないと院長から告げられる。

八ヶ岳にある高原診療所についた「私」は付添人用の側室に、節子は病室に入院する。院長に病院中でも2番目くらいに重症だと告げられる。9月に、病院中一番重症の17号室の患者が死に、次は節子かと恐怖と不安を感じた。

 1935年の10月ごろからサナトリウムから少し離れたところで物語を考え、夕暮れに病室に戻る生活となり、節子との貴重な日々を日記に綴ってゆく。冬になり、12月5日、節子は、山肌に父親の幻影を見た。私が、「お前、家へ帰りたいのだろう?」と問うと、気弱そうに、「ええ、なんだか帰りたくなっちゃったわ」と、節子は小さなかすれ声で答えた。

 1936年12月1日、3年ぶりに節子と出会ったK村に私は来た。山小屋で去年のことを追想し、私が今このように生きていられるのも、節子の無償の愛に支えられているのだと気づき、ベランダに出て風の音に耳を傾け立ち続けた。

 全編にわたって、ほとんどが心理描写と情景描写、という感じで、あまり動きはないように感じた。やわらかな文章なので優しくも物悲しいような印象を受け、妻節子の容態が悪化し発作が起こる描写が少なく、亡くなるシーンは一切描写されていないことには驚いた。これは、作者自身、そしてその妻が結核を患っていたので書けなかったのではないか、と考えている。一般的には「死のかげの谷」が素晴らしいと言われているが、私は冬の最後の場面が好きだ。いつ死んでしまうのかわからない焦燥感に駆られ、胸が苦しくなったが、感情移入がしやすく感動した。

投稿時間:2013年2月 9日 11:04 | 固定リンク

2013年02月09日

「百読百鑑」レビュー 『スティング』 by belle

 

1936年、シカゴ近郊のダウンタウン。若いイカサマ師ジョニー・フッカーは、ある日、誤って、大物のギャングロネガンの手下から金を騙し取ってしまう。この事件がきっかけになり、ジョニーの友人ルーサーが殺されてしまう。ジョニーは、復讐は詐欺でやると心に決め、ヘンリー・ゴンドーフの力を借りながら、ロネガンをひっかけることにする。ギャング、詐欺師、警察、FBI、謎の女。絶妙な脚本で話が進んで行く。この映画に関してはネタばれできないので、これ以上の内容は書けない。

『どうせやるなら、大きく騙せ!愛すべきイカサマコンビ、一世一代の大賭博!』というキャッチフレーズに惹かれて、手に取った。実際に観てみると、キャッチフレーズ通りでドキドキハラハラがとまらない。誰もが聞いたことがあるだろう60年代の音楽やノスタルジックな雰囲気が、緊張感溢れるスリル満点なシーンに絶妙にマッチしている。寒さの残るこの季節、家族みんなでこたつに入り、詐欺師のスリルを味わってみてはいかがたろうか。

投稿時間:2013年2月 9日 10:42 | 固定リンク

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