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2013年03月05日

「百読百鑑レビュー」 『007 ロシアより愛をこめて』 by ぴよこまめ

監督       テレンス・ヤング

犯罪組織「スペクター」は、ソビエト情報局の美人女性情報員と暗号解読機「レクター」を餌にし、主人公である英国海外情報局の諜報員007ことジェームズ・ボンドを「辱めて殺す」事で両国に泥を塗り外交関係を悪化させ、その隙に解読機を強奪するという計画を立てていた。スペクターの幹部であるNo.3ことソビエト情報局のクレップ大佐は、真実を知らない部下の情報員タチアナ・ロマノヴァを騙し、暗号解読機を持ってイギリスに亡命する様、そして亡命時にはボンドが手助けすることが条件だという様に命令する。英国海外情報局のトルコ支部長・ケリムからタチアナの亡命の手助けを命じられたボンドは、罠の匂いを感じつつトルコのイスタンブルに赴いた。しかし、そこにはスペクターの刺客・グランドが待っていたのだ。

原作である小説は1957年に出版されており、その当時は冷戦でイギリスとロシアが緊張関係にあり、内容からもその部分が覗える。今回で映画二作目となる作品だが、前作よりさらにアクションを取り入れた大作となっている。冒頭の偽ボンド登場シーンやオリエント急行での対決、ヘリコプターで狙われ危機一髪!など見せ場が次から次へと登場する。歴代ボンドガールの中でも最も人気のあるダニエラ・ビアンキが出演しているので、出演者のキャラクターにもインパクトがあり、60年代の007シリーズの中では、飛びぬけて評価の高い作品だと思われる。さらに、ボンドの危機を救うこととなる支給品の秘密兵器がクライマックスで重要な伏線になること、何よりもオープニング・テーマの前に「プレ・アクション」が入るようになったことなど、この作品以降の007シリーズには必須になるパターンの多くが、本作で形作られた。

60年代という古い作品でソ連との冷戦という時代背景は、私にとっては実感しづらくリアリティのある作品として楽しむのは難しかった。しかし、オープニングの映像で女性の体にクレジットを映すという映像は今の私が見ても古臭くはなく斬新でかっこいい印象を持った。何作か見たことはあるが、毎回出てくるボンドガールの最低条件といえば美人でスタイルがいい、という感じであるが今作のボンドガールは知性とエレガンスを感じさせる風もあり、彼女がまたこの作品の魅力の一つにも思えた。そして、ボンドガールに対してまだこのころのボンドは少し手厳しいようなところもあり、そんなボンドが見られて新鮮で面白かった。エンディングのマット・モンローが歌う主題歌がタチアナの一時の恋とわかっていながら、今この瞬間を大切にしたいという心情と相まって素晴らしいといえるだろう。

もし今の時代にボンドのような人が私のそばにいるとしたら、親戚のおじさんに居たら色んな冒険談を話してくれるおじさまで楽しいかもしれない。彼氏にはちょっと…。

投稿時間:2013年3月 5日 14:05 | 固定リンク

2013年03月05日

アジア国際美術展(タイ展)に作品発表

第27回アジア国際美術展(タイ展)に作品発表 金藤完三郎

⟨展覧会は終了いたしました⟩

 

現在タイ国で開催中の「第27回アジア国際美術展(タイ展)」で、私の作品1点(既定数)が展覧中ですので、記事を掲載いたします。

この国際美術展は本展会期前に、アジア美術家連盟日本委員会が福岡アジア美術館で国内展覧会を開催し、審査を経て推薦された作品が本展開催国の展覧会で展示されるものです。本日、タイ国の展覧会セレモニー等に参加された日本委員会と関係者から展覧会の概要と会場の写真など、報告資料が届きましたのでご紹介いたします。以下は資料からの抜粋です。

(報告:金藤完三郎)

 

               0305-3.jpg 作品展示会場(向かって右が金藤作品)

 

第27回アジア国際美術展はタイ文化省現代芸術文化オフィス、Bunditpatanashilpa美術研究所、Chulalong Korn大学芸術学部主催、アジア美術家連盟各国委員会共催により2013年1月19日(土)から3月22日(火)迄開催され、オープニング行事が1月17日(木)から1月20日(日)迄開催されました。

 

               0305-1.png 開会式の様子(文化大臣) 

 

オープニング行事は主にバンコクのラチャンダムニー現代美術センター(Ratchadamnoen Contemporary Art Center―展示)とツィンタワーホテルにおいて行われ、出品参加国は従来の日本(20人)、韓国(20人)、中国(17人)、台湾(27人)、フィリピン(15人)、シンガポール(17人)、マレーシア(13人)、ベトナム(1人)、台湾(15人)、タイ(65人)、モンゴル(15人)、インドネシア(6人)の12ヶ国地域231人231点に加えてKrabiで1月9日から17日迄行われたワークショップ(37人参加)への新たな参加国イラン、アフガニスタン、パキスタン、ブルネイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インド、バングラデッシュの9ヶ国が加わり、合計21ヶ国地域となり、240作家の268点が展示されました。日本からは安永幸一アジア美術館顧問(日本委員会顧問)、宇田川宣人代表、堀尾紀之・光行洋子副代表、川野裕一郎(フォーラム発表者)塚本洋守(ワークショップ参加者)、見崎泰中、東義真、渡部須美子、堀尾くに子の各氏が参加されました。

 

               0305-2.png

 

開会式には文化大臣、閉会式には文化副大臣が出席するなど、タイ国を挙げての充実した文化行事となり、アジアの美術家相互の友好と親善を深めることができました。代表者協議会では、来年の開催は台湾、再来年はベトナムと決まりました。

当地の報道の他、開会式について、翌日の西日本新聞に記事が掲載されました。

投稿時間:2013年3月 5日 12:57 | 固定リンク

2013年02月27日

「百読百鑑」レビュー 『チャーリーとチョコレート工場』ティム・バートン by メイ

 

 ウィリー・ウォンカが作るお菓子は子供たちの心をつかんで放さない。ある冬のこと、誰も出入りしたことのないチョコレート工場を見学できる権利を、世界中の子供たちの中から5人抽選すると発表した。世界中で販売される板チョコに、ゴールデンチケットが無作為に同封されているという。しかも、その中から一人特別賞をもらえるという。世界中は大騒ぎ。主人公のチャーリーは誕生日プレゼントチョコにも、おじいちゃんからもらったお金で買ったチョコにもゴールデンチケットが入っていない。だがチケットはどんどん減っていき残り一枚となった。ある日、偶然道で拾ったお金で板チョコを買うと、そこにはなんとゴールデンチケットがはいっていた
 
 チケットが当たった5人の子供たちにはどんな驚きが待っているのだろう。
 
 ウィリー・ウォンカのチョコレート工場は、とても楽しくて不思議な工場だ。。ミント風味草のフィールド、チョコレートの滝。発明室では溶けないキャンディ、ナッツの部屋では賢いリスたちを発見。ガラスのエレベーターやテレビの部屋。
 
夢のような話で、あっという間に時間が過ぎていく。自分自身が工場見学をしているような気持になる。途中は笑いも少々あるが、結末は感動的で涙もそそられる。チョコレートが好きな人にはたまらない作品である。

投稿時間:2013年2月27日 10:54 | 固定リンク

2013年02月27日

「百読百鑑」レビュー 『アバター』ジェームス・キャメロン by えりな

 

 パンドラという惑星にナヴィと呼ばれる人間に似た生物が暮らしていた。パンドラは熱帯雨林の様な密林に深く覆われた美しい星であった。そこではナヴィたちが野生動物達と自然に囲まれ暮らしていた。彼らの住む森の奥には地球のエネルギー問題解決の鍵となる希少鉱物アンオブタニウムの鉱床があり、それを巡って人間とナヴィとの間でいざこざが起こっていた。
 
 人間はパンドラの大気中では呼吸ができないため、エグゾパックというマスクを着用する必要があった。また、先住民であるナヴィと交渉する為に人間とナヴィの遺伝子を組み合わせたアバターが作られた。操作は遠隔操作になっており、操縦者が操作していない時のアバターは制御されず仮死状態になった様になる。
 
 ナヴィの人々は人間と比べて科学技術は発展していないが、自然と共生し幸福に暮らしていた。
 
 トミー・サリーはアバターの操縦のために志願して遺伝子を提供したが、金目当ての強盗に射殺されてしまった。そこで、サリーの一卵性双生児の双子であるトミー・ジェイクがパンドラに派遣され、アバターの操縦者を務めることになった。ジェイクはそこで傭兵隊長クオリッチ大佐と出会い、ナヴィを偵察する密命を引き受けた。
 
 ある日、アバターとしてパンドラの探検をしていたジェイクは仲間とはぐれ、ナヴィの女性ネイティリに助けられた。始めはジェイクに敵意を示すがやがて理解するようになる。ジェイクはナヴィと共に暮らし自然に触れるにつれ、自然と共生する生活を送るナヴィの人々に共感を抱いていく。やがてジェイクはパンドラにおける人間の振る舞いについて疑問を持つ様になった。
 
 一方、RDA社は採掘の障害となるナヴィに苛立ちを強めていた。いかなる条件を出してもナヴィ側はそれを受けようとはしない。やがて人間とナヴィの対立は酷くなり武力衝突へ発展していく。怒ったジェイクはついにナヴィ側に立ち人間との対立を決心する。ナヴィの人々に自分が人間側のスパイであったと告白したが、逆にナヴィの人々の憎しみを買い縛り上げられてしまう。
 
 RDA社はついに空中機動部隊を発進させナヴィの聖地「ホーム・ツリー」の倒壊・破壊をする。戦いは一方的にRDA社に有利な状況で進んでいく。ネイティリの母であるモアトは最後の手段としてジェイクを頼る決心をし、彼を解放した。ジェイクは一度失ったナヴィの人々の信頼を回復するにはグレイト・レオノプテリックスを飼い慣らすことで、自分をナヴィの人々にトゥルーク・マクトと認めさせるしか方法はないと考え挑戦し、成功する。
 
 トゥルーク・マクトになったジェイクは再びネイティリ達からの信頼を取り戻し、他のナヴィの部族を集め人間に対する戦いに踏み切り勝利する。だが、クオリッチ大佐はアバターを操作するジェイクの動きを封じるべく、遠隔操作装置のあるコンテナを襲う。襲われたコンテナの遠隔操作装置の中のジェイクはマスクなしで外気に触れ緊急用のエグゾパックに手が届かず意識を失ってしまう。そこにネイティリが現れた。ネイティリが放った矢で大佐は殺され戦いはナヴィ側の勝利に終わる。その後、ネイティリはアバターのジェイクが仮死状態になったことで襲われたコンテナの中へ行き緊急用のエグゾパックをジェイクの顔に当ててジェイクを助ける。
 
 寛大なナヴィの人々は人間に対する報復を自制し、選ばれた人を除き人間を地球に戻した。ジェイクは最後のビデオ記録で明日は自分のパーティーがあって自分が新たに誕生する日だと残し、遠隔操作装置によってではなく呪術とエイワの力により仮死状態のアバターが目を開き、ジェイクはナヴィとなる。
 
 私はこの物語を見て、言葉にナヴィの言葉があったり、パンドラに住む生き物と自分のしっぽを繋げて心を通わせたりなど、今までにあった映画みたいに、恐竜を使ったり魔法を使ったりするのではなく新しい発想から生まれた作品に仕上がっていてワクワクして見る事ができた。そして、本当にこの様な惑星があるのかと思うし、何度でも観たくなる素晴らしい作品だと感じた。

投稿時間:2013年2月27日 10:52 | 固定リンク

2013年02月27日

「百読百鑑」レビュー 『チャーリーとチョコレート工場』ティム・バートン by ユキ

 

  ロアルド・ダールの小説「チョコレート工場の秘密」が原作の映画。5人の子供たちが不思議なチョコレート工場の世界を体験するファンタジー・コメディ。

  主人公のチャーリー・バケットはとても家族思い。両親とその両親合計7人で一緒に住んでいて、貧しい生活をしている。近所にある謎の「ウォンカ」印のチョコレート工場は世界でも大人気。ある日、ウォンカは子供たち5人を工場見学に招待し、その中の1人には副賞があることを告知した。世界中の幸運な子供たち5人の中にチャーリーも入っていた。工場を見学して夢のような、不思議な光景を体験していく。ところがあらかじめ仕組んであったかのようにハプニングが起き、子供たちは次々と脱落。最後に残ったのはチャーリーだけ。ウォンカはチャーリーに副賞を与えるが断わられ、家族も一緒という条件でまた副賞を与えようとするが……。

  一見子供向けの映画のように思われるが、年齢層に関係なく楽しむことが出来る映画になっている。子供たちがそれぞれの場所でハプニングに合うシーンでは、ウォンカのもとで働いているウンパ・ルンパと呼ばれる小柄な人々が必ず出てきて、歌と踊りをする。その子供に合った歌を歌うので歌詞に注目しながら観るのもおもしろい。このように愉快で楽しめるシーンも多いが、チャーリーが工場見学を出来るように手助けしたり、家族と離れることは出来ないと、家族のことを一番に思うバケット家の家族愛がみられるシーンも多々ある。チャーリーは貧しくても家族のことを大切にする純粋な心の持ち主だったから、最後まで工場見学で残ったのだと思われる。

  この映画は、こういった家族を大切にすることも視聴者に伝えたかったのかもしれない。

投稿時間:2013年2月27日 10:45 | 固定リンク

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