主人公のオリバー・ツイストはある事情があって救貧院で育てられることになった。9歳になったオリバーは孤児たちと共に過酷な労働をさせられる。しかし満足できる食べ物などは与えられない。子どもたちはとなりに寝ている子を食べてしまいそうになるくらいお腹を空かせている。
ある晩、おかわりを頼む者をくじ引きで選ぶ。そしてそれはオリバーに当たる。その晩、鉢と匙を手にし賄係りのところへ行き、オリバーは言った。「すみませんが、もっと欲しいんです。」賄係りはオリバーの頭を殴り、教区史に言いつけた。
翌朝、門の外にオリバー・ツイストを引き取ってくれるものには5ポンドの報酬を出すという掲示が張り出される。それを見た煙突掃除夫のガムフィールド氏が 申し込む。だがオリバーは怖くて怖くて怯えた顔をしていた。それを見た老紳士は「こんなことは絶対によくない」と言い、オリバーを救貧院に戻させた。次に 葬儀屋のサワベリー氏が申し込み、引き取られることになるがオリバーはひどい扱いをうける。そこでオリバーは逃亡することを決意する。
その逃亡する先で起こることは本でお楽しみください。
この作品は映画化もされており、とても切ない話だ。オリバーはもちろんかわいそうだが、わたしはスリの窃盗団のフェイギン一味の子どもたちもかわいそうだ と思う。なぜフェイギン一味となってしまったのか。それからオリバーと共に過酷な労働をさせられていた子どもたちの運命はどうなっていくのか。
子どもにこそたくさんの未来や夢が待っているのに、大人たちはひどい扱い、差別をする。しかし、人間は無意識に差別をしてしまうもの。わたしたちも無意識 のうちに差別をしているのだと思う。差別がこの世からなくなればどんなに幸せだろう。しかし、少しでもそう思う人がいるだけで少しでも違うのだと思う。オ リバーが最後に捕まったフェイギンのところに挨拶に行くところは、オリバーの優しさが出ている場面だと思う。常に差別のことを考えるわけにはいかないが、 気にとめることを大事にしたいと思う。