2013年5月アーカイブ

学科スタートを記念して、高校生を対象に日本文学を題材にした朗読表現のコンテストを催すこととなりました。高校生の皆さん、性別問わずです。所属クラブなども関係ありません。初めての方も力試しにどしどしご応募ください。

第一回 言語芸術朗読コンテスト

本審査(第一次審査通過者対象)

日時:  2013年8月25日(日)

    コンテスト開始 13時半/ コンテスト終了 16時(予定)

場所:  福岡女学院大学 エリザベス・リー・ホール

       福岡市南区日佐3丁目42-1

審査員: 吉竹史(毎日放送アナウンサー、予定) 、ほか

最優秀賞: トロフィー、賞状、副賞(リニアPCレコーダーまたはiPadmini)

優秀賞: トロフィー、賞状、副賞(図書カード)

参加賞:オリジナルグッズ

 

本審査の対象は第一次審査通過者のみとなります。

第一次審査課題送付方法:
 録音音声を、カセットテープ、MD、CD、MP3形式音声データのいずれかの形式で提出してください。  (7月20日必着)

 郵送の場合:下記応募用紙に必要事項を記入の上、 〒811-1313 福岡市南区日佐3丁目42-1 

福岡女学院大学人文学部言語芸術学科 までお送りください。
 メールの場合: メール本文に下記の必要事項を記入の上、 fjgengo@gmail.com までお送りください。

 お問い合わせ: 福岡女学院大学言語芸術学科 092-575-6289

 

一次審査課題文

(はじめに氏名、高校名、タイトル(『山椒大夫』)を吹き込んでください。)

 

 藁葺(わらぶ)きの家が何軒も立ち並んだ一構えが柞(ははそ)の林に囲まれて、それに夕日がかっとさしているところに通りかかった。

「まああの美しい紅葉(もみじ)をごらん」と、先に立っていた母が指さして子供に言った。

 子供は母の指さす方を見たが、なんとも言わぬので、女中が言った。「木の葉があんなに染まるのでございますから、朝晩お寒くなりましたのも無理はございませんね」

 姉娘が突然弟を顧みて言った。「早くお父うさまのいらっしゃるところへ往(ゆ)きたいわね」

「姉えさん。まだなかなか往(い)かれはしないよ」弟は賢(さか)しげに答えた。

 母が諭(さと)すように言った。「そうですとも。今まで越して来たような山をたくさん越して、河や海をお船でたびたび渡らなくては往かれないのだよ。毎日精出しておとなしく歩かなくては」

「でも早く往きたいのですもの」と、姉娘は言った。

 一群れはしばらく黙って歩いた。

(森鷗外『山椒大夫』より)

百読百鑑レビュー これは2013年度入学の言語芸術学科の学生さんが、「百読百鑑」リストから作品を選び、その選んだ作品について書いたレビューです。

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