2012年12月02日
教員コラム6 「福岡と関西」2 二階堂整
Column 6 「福岡と関西」連載第2回
前回のブログ(11月1日)で、福岡の高年層と若年層に、関西に対す好感度の大きな違いがあることを述べました。このことが次の調査で顔を覗かせました。
2007年度から2010年度にかけ、コミュニケーションギャップの研究プロジェクトに参加しました。例えば、関西から各地(東京・名古屋・広島・福岡)へ移住した方に、また、逆にそれらの地域から関西へ移住した方に、関西と移住先のコミュニケーションの違いをインタビューしたり、アンケート調査を実施しました。福岡での、関西からの移住者のインタビュー結果を2、3つ記してみます。
関西本社から福岡支社に転勤が決まった若手社員に、本社の上司たちは、(自分たちの過去の転勤の経験を踏まえ)「福岡に行ったら関西弁を話さないように。関西はあまり好かれていない」と助言してくれたそうです。こわごわ転勤してみたところ、まったく関係なく、「関西大歓迎、関西弁、大好き」の対応に戸惑ったそうです。これは前のプロジェクトの関西・関西弁に対す好感度の問題につながります。前の調査では、福岡の高年層と若年層に好感度の差があって、高年層はそれほど好感度を示さず、若年層は高い好感度を示す結果が出ました。上のエピソードはこの結果につながるものと思われます。おそらく、関西本社でかつて福岡に転勤した方は、福岡の高年層の人々と接触したでしょうから、関西・関西弁は歓迎されなかった。ところが、今は福岡では若年層を中心に関西弁に対す好感度が高く、大歓迎に至ったのではないかと思われます。
高校で関西から転校した二人の女子生徒(調査時は大学生)は、びっくりした思い出を語ってくれました。男の子と話していて、話の流れで、「今度、遊園地にいっしょに行こう」と言ったら、急に男の子の態度が変わってもじもじしたり、赤くなったり、はては「この話、内緒にしとこうな」。女子生徒は「?」の連続です。ただ友達として遊びにいくだけのはずなのに、なんでこんな反応するんだろう。なにを意識してるんだろう。ここには、福岡と大阪のコミュニケーションギャップ、相手との距離の違いが出ています。大阪では相手との距離が近く、「遊園地にいく」と誘うことは友人として普通で、別に特別のことではなかったのです。一方、福岡では、それに比べると、相手との距離がやや遠く、したがって、「遊園地に行く」と誘うことはぐっと距離を縮める行為であり、友人以上の関係とうけとられてしまったのです。この話が出たとき、聞いていた関西出身のもう一人の女性も「そうそう」と強くうなずいてました。
同じ日本人ですが、それだけに、コミュニケーションの距離の違いに我々は気がつきにくいのです。さて、福岡での関西・関西方言に対す好感度は、福岡の言葉にどんな影響をあたえたのでしょうか。
そのことは、また次のお話で。(二階堂整)
投稿時間:2012年12月 2日 13:21 | 固定リンク
2012年11月19日
観光研究のための調査(奥豊後調査) <学生レポート>
ゼミの研究発表の調査で、大分県の豊後大野市を訪れました。豊後大野市は今年の春から新しい観光の取り組みとして開始された“九州オルレ”のコースに選定された地区です。オルレとは韓国・済州島の方言で「家に帰る細い道」という意味で、舗装路を極力避け、地域の息遣いを感じることができる道という韓国発祥のブランドです。その姉妹版として今年3月に“九州オルレ”が誕生し、現在奥豊後コースを含め4つのコースが選定されています。約15kmのコースを4,5時間かけてゆっくり歩くことでその土地の本当の姿を発見できる新しい観光スタイルです。
私達ははじめに奥豊後コースのスタート地点である朝地駅で豊後大野市観光協会の長吉さんと朝地町観光推進協議会の朝倉さんからお話を聞くことができ、オルレに対する取り組みや状況について説明していただきました。その後、実際にコースを2時間程歩き、オルレを体験してきました。今回の調査の中で、私がオルレに対して感じた良い点が主に3つあります。
1つ目は、『何もない所』が観光に生かせるということです。今までは何かをつくることで観光客を集めていたものが、その土地の“ありのまま”の姿でも観光地になるということです。実際、奥豊後は田舎で決して賑やかではなかったけれど、日本の原風景を感じさせてくれ、コースを通してその土地の文化や歴史、自然を十分学ぶことができました。日本はたくさんの森林があり、私たちが気づいていない何でもないような場所が、実はとても大切で人々に癒しを与えてくれる場所でもあります。オルレを通して、過疎化が進んでいる田舎でも取り組み次第で、観光に生かせるということを学ぶことができました。
2つ目は、地域の人々が自分の地域の良さを知ることができることです。オルレのコースを地域住民が歩くことで、今まで気づかなかった場所や風景、良さを知ることができ、それが誇りやPR力につながっていくと感じました。また、オルレのコースは住民が普段使用する道でもあるため、街の人が実際に訪れた観光客を確認でき、それが活力へとつながっていくことも分かりました。こうしてオルレは観光客に対してだけではなく、地元住民に与える影響も大きく、地域交流や誇りを強めてくれることを学びました。
3つ目は、あいさつ・交流ができることです。私達がコースを歩いている途中、何名かの住民の人が話かけてくれたり、優しく道を教えてくれたりと、ほんの少しだけれど会話を交わすことができました。これは当たり前で何気ないことだけれど、現代の社会にとって交流の薄れは1つの問題になっています。ささいな交流でもその土地の地域性が分かり、また、人々の温かさも感じることができます。こうした現代の人々が忘れている当たり前なことを再確認できる点も魅力だと思いました。
今回の調査を通して、オルレに対してとても魅力を感じることができ、他の3つのコースもぜひ体験したいと思いました。今回学んだことを十分に生かして、これからの研究をよりよいものにしていきたいです。(3年 馬場さん)
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投稿時間:2012年11月19日 23:50 | 固定リンク
2012年11月17日
航空業界・旅行業界の最前線(沖縄ホテル研修事前授業)
沖縄ホテル研修の事前授業として、航空会社・全日空から社会人講師をお招きし、航空業界・旅行業界の現状と展望についてお話を伺いました。
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投稿時間:2012年11月17日 00:49 | 固定リンク
2012年11月14日
サークル活動体験記(6):学友会総務
学友会総務:各種学校行事の企画運営を行う活動は、やりがいと達成感の宝庫
私は、学友会総務に所属しました。学生生活をより良くすることを目的とし、イベントの企画運営やボランティア活動、マナーアップへの取り組み、他大学との意見交換など、さまざまな活動を行っています。
総務の活動は、すべて学生が主体となっているため、やりがいや達成感は計り知れません。その分苦悩も多いのですが、そのたびに悩みを共有し支えあいます。悩みを口に出すことで、考えがまとまったり新しい可能性が見つけられたりとずいぶん気持ちが軽くなります。また、信頼できる仲間がいることは心強く、チャレンジする原動力ともなりました。
心理学科は、人生について、物事の捉え方や考え方について深く考えることができる学科だと思います。多くの人に支えられている自分に気が付き、自分には何ができるのかを考えるようになりました。私は、大勢の人前に立つことや新しいアイデアを出すことが苦手でした。そのため、みんなの意見をよく聴き、どのようにまとめていけるか、案を実現させるにはどのような方法が必要となるかなどを考えることに努めました。苦手なことはスモールステップで克服し、得意なことや長所はより伸ばしていくことが大切なのだと思います。今では、学友会総会で決議案を述べることもできるようになりました。
私が変われたのは、新しい環境に身を投じたことと、信頼できる仲間の存在があったからだと思います。環境が変われば自分も変わります。今まで挑戦したことがない分野に挑戦してみて下さい。すべてが自分を成長させ、自信へとつながると思います。多くの人と出会い、自分の可能性を広げ充実した大学生活を送ってください。
(4年生 Sさん)
投稿時間:2012年11月14日 15:22 | 固定リンク
2012年11月05日
教員コラム5 「VOICES OF JOY」 Daniel E. Corl
Column5 VOICES OF JOY のゴスペル活動
アメリカの黒人の歴史と音楽文化をゼミのテーマにしているコールです。ゼミでは奴隷制度の歴史、黒人霊歌の歌詞、民話などを取り上げ、自由が極度に制限され、先祖の文化と風土から引き剥がされるという、人間性が脅かされる環境の中で、どのようにしてその人間性をギリギリ保ち、結果的に豊かなコミュニケーション文化を築いていったかを研究します。
また、こうした座学のほかに、4年前からゼミ生が中心となって学内で仲間をつのり、ゴスペル隊を組んで活動を行うようになりました。今年から名称をVOICES OF JOYと改め、お揃いのポロシャツを考案し、福岡女学院の創立記念日やオープンキャンパスなどでライブをしてきました。
〈5月の創立記念日ライブ〉
10月には学園祭の野外ステージに立ち、今年のラインアップのベストステージを果たしました。
〈10月26日-学園祭ライブ〉
「ゴスペル」とは音楽のジャンルではなく、アカペラ、R&B、ロック、ヒップホップなど様々なスタイルを含んでいます。ただ、ゴスペルにはある特有のスタンスが貫かれています。それは生かされていることへの感謝や、困難なときに必要な力と勇気を信じ求める、神へ向けて歌っていることです。
ゴスペルは、こうしたメッセージ性がポイントなのであって、教会の中だけで歌う崇高な音楽ではありません。むしろ、それぞれの時代のいうなればストリート文化が生み出したリズムやエンターテイメント性を取り入れ、日頃の身近な音楽として親しまれているのです。このようにして「聖」と「俗」の垣根を微妙に行き来していることも、ゴスペルの見逃せない特徴といえます。
だからこそ聖書を知らない人達の心をも動かし、日本でも各地で歌われているようになったのではないかと思います。もともと楽譜がなかった文化、楽譜が読めない人たちのサバイブル音楽だったゴスペルは、歌う人を選びません。
〈博多区東住吉公民館にて〉
さて、今年のVOICES OF JOYは11月4日に地域の公民館の文化祭に招かれて、初の学外ステージを果たしました。反応はとてもよく、思いのほかのびのびと歌えることができました。来月もデイ・サービスの施設でクリスマス・ライブをする予定で、新曲の練習に励んでいます。今後はこうした地域活動やチャリティーイベントへの参加を増やし、実践を重ねて行こうと考えてます。(Daniel E. Corl)
投稿時間:2012年11月 5日 18:35 | 固定リンク
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