教員コラム5 「VOICES OF JOY」 Daniel E. Corl

Column5 VOICES OF JOY のゴスペル活動

アメリカの黒人の歴史と音楽文化をゼミのテーマにしているコールです。ゼミでは奴隷制度の歴史、黒人霊歌の歌詞、民話などを取り上げ、自由が極度に制限され、先祖の文化と風土から引き剥がされるという、人間性が脅かされる環境の中で、どのようにしてその人間性をギリギリ保ち、結果的に豊かなコミュニケーション文化を築いていったかを研究します。

また、こうした座学のほかに、4年前からゼミ生が中心となって学内で仲間をつのり、ゴスペル隊を組んで活動を行うようになりました。今年から名称をVOICES OF JOYと改め、お揃いのポロシャツを考案し、福岡女学院の創立記念日やオープンキャンパスなどでライブをしてきました。

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⟨5月の創立記念日ライブ⟩

 

10月には学園祭の野外ステージに立ち、今年のラインアップのベストステージを果たしました。

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⟨10月26日-学園祭ライブ⟩

 

「ゴスペル」とは音楽のジャンルではなく、アカペラ、R&B、ロック、ヒップホップなど様々なスタイルを含んでいます。ただ、ゴスペルにはある特有のスタンスが貫かれています。それは生かされていることへの感謝や、困難なときに必要な力と勇気を信じ求める、神へ向けて歌っていることです。

ゴスペルは、こうしたメッセージ性がポイントなのであって、教会の中だけで歌う崇高な音楽ではありません。むしろ、それぞれの時代のいうなればストリート文化が生み出したリズムやエンターテイメント性を取り入れ、日頃の身近な音楽として親しまれているのです。このようにして「聖」と「俗」の垣根を微妙に行き来していることも、ゴスペルの見逃せない特徴といえます。

だからこそ聖書を知らない人達の心をも動かし、日本でも各地で歌われているようになったのではないかと思います。もともと楽譜がなかった文化、楽譜が読めない人たちのサバイブル音楽だったゴスペルは、歌う人を選びません。

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⟨博多区東住吉公民館にて⟩

 

さて、今年のVOICES OF JOYは11月4日に地域の公民館の文化祭に招かれて、初の学外ステージを果たしました。反応はとてもよく、思いのほかのびのびと歌えることができました。来月もデイ・サービスの施設でクリスマス・ライブをする予定で、新曲の練習に励んでいます。今後はこうした地域活動やチャリティーイベントへの参加を増やし、実践を重ねて行こうと考えてます。(Daniel E. Corl)