2012年10月アーカイブ

Column3 「日本語教育のための映像研究会」

 

私は、日本語教員養成コースの日本語教育科目を担当しています。このコースでは、日本語を母語としない人に日本語をどう教えるかということを学びます。また、日本語教育科目の他に、留学生のための日本語科目のコーディネートとその中の一科目も担当しています。昨年、九州内で日本語教える仲間8人と、留学生のための日本語教材としての映像作品のことを様々に議論するために、「映像研究会」を立ち上げました。まだ、小さな仲間内の会ですが、議論の成果を積み重ねていきたいと思っています。

映像作品として取り上げるのは、映画やテレビ番組です。範囲が広いですし、教師それぞれが担当している日本語科目の性格も、学生の日本語レベルも違いますので、議論のポイントが絞りにくいこともありますが、先日は「三丁目の夕日」を授業で扱った先生方の報告を中心に、話をしました。

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私は、福岡女学院大学で担当している科目が「会話」を主にした科目で、他の先生が担当される「聴解」を主にした科目で映像が扱われることが多いため、今現在はあまり映像を使うことがないのですが、前任校では、方言を学んだあとに、その方言が使われている映画を見るという使い方をしていたこともあります。博多弁を学びたいとしたら、どんな映画がお勧めでしょう。

写真は、「夕日」つながりで、エーゲ海の夕日です。今夏、フィールドワーク現代Cに参加して、学生たちと一緒にトルコ、ギリシャの旅をしてきました。(守山惠子)

Column2 「レッド・ハウス」訪問

 

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一度は訪れてみたいと思っていた、ロンドン郊外に建つ「レッド・ハウス」に行ってきました。          

 

 

 

 

 

 

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1859年に完成したレンガ造の住宅で、建て主はウィリアム・モリス。「アーツ・アンド・クラフツ運動」という工芸・デザイン活動を推し進めた人です。友人のフィリップ・ウェッブが設計しています。この建物そして内装や家具などがこの運動のシンボル的存在となっていて、デザイン史には必ず出てくる建物です。築後150年経っていますが、石造やレンガ造が多いイギリスでは珍しくはありません。

 

 

kiyokawa1.jpgL型の平面をした二階建てで、各部屋は想像していたよりもこぢんまりと小さく、素朴な感じです。この建物が敷地を大きく三つに区分しています。一つ目は敷地入り口から建物のエントランスにつづくアプローチのための庭、二つ目は一番多く写真に撮られている、L型に曲がった建物に囲まれた落ち着きのある庭、三つ目は奥に回り込んだ、多くの果樹や花が植えられ菜園もある庭、いずれも独特の眺めを持っています。

 

 

ここはロンドンの中心から電車で30分程度のところで、当時は相当田舎だったのだろうと思います。現在、周辺は普通の住宅地になっていますが、道路が広過ぎて少し殺伐とした感じを受けます。住宅のデザインもあまり良いとは言えません。「レッド・ハウス」がすばらしいだけに残念な景観でした。(清川直人)