学生(一年)と教員の全員が参加して共同的に展開する授業「ワークショップA」の展示発表会が、1月20日から24日まで、本学エリザベス・リー・ホール、ホワイエで行われました。

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先日このブログでもご紹介しましたように、今年の授業のテーマは「ミュージアム」。「ミュージアム」を、メディア、コミュニケーション、デザイン、それぞれの視点からみるとどのように捉えられるのか、一年間をかけて学んだ後、グループにわかれてそれぞれ福岡の”ミュージアムなるもの”を構想、展示で表現しました。

映像、フリーペーパーを制作したグループ、体験型展示を考案したグループなど、アプローチの仕方もテーマもさまざまで、アイディアにあふれた作品が並びました。

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メディア・コミュニケーション学科の1年生は、必修の「入門ワークショップ」という授業で、論理的な説得力のある小論文を書くことを学んできました。

前期には、たとえば「食堂の箸はプラスチックがいいか、割り箸がいいか」といった題の400字小論文を繰り返し書くことを通して、「論理的に考える」ことや「書き方」を身につけました。

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後期には、クラスごとに決められた岩波ブックレットの1冊を読み、これをきっかけにして、グループで考え、資料を集め、話し合いました。レジュメのつくり方を学び、「賛成の立場から」「反対の立場から」と立場を変えて、3回の発表を行ううちに、どのグループも客観的な根拠を示し、説得力のある、発表ができるようになりました。

 

お正月明けには、各自がレポートを提出します。この1年、授業で学んできたことが、どのように生かされているか、読むのが楽しみです。(報告:守山惠子)

 

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写真は、発表を聞いて書いたコメントシートです。

メディア・コミュニケーション学科、メディア系の集中講義のうち、内容について質問されることの多い「マスメディア・フィールドワーク」について、表現学科所属の先輩の、体験記を紹介します。ぜひ、参考にしてください。(徳永至)

 

集中講義「マスメディア・フィールドワーク」を通して感じたこと

今回の集中講義、1日目は文字メディア・電波メディアについて教室で予習。2日目は新聞社の現場、3日目は放送局のテレビとラジオの現場、4日目は総復習という日程で進んだ。

全ての授業が終わった今、マスメディアには1つの共通点があると気がついた。それは「言葉で伝えることの難しさ」だ。

 

訪問した朝日新聞西部本社と九州朝日放送本社では、実際の現場で働く人の話を聞くことができた。文字メディアと電波メディア、裏方と表方、それぞれ立場は違うが「言葉の選択」について必ず触れていた。マスメディアの世界では、受け手側の存在が大きい。分かりやすく、簡潔に伝えることが大切で、受け手側の存在を常に想像して製作しなくてはならない。

 

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公開放送ができる、KBCラジオ第1スタジオ(本年度の表現学科での授業風景)

今回の授業では、普段の講義では分からなかったマスメディアの深いところまで知ることができた。何気なく見ていた新聞・テレビ・ラジオの見方や受け取り方が変わった気がする。この4日間を通し、言葉で伝えることの難しさを感じ、マスメディアの現場の大変さ過酷さを感じた。それと同時に、マスメディアに、より興味がわいてきた。

何を伝えたいのか理解し、誤解を恐れずに、言葉を使ってコミュニケーションをとっていきたいと思う。(報告:人文学部表現学科2年 T.Mさん)

昨年度の授業風景も、こちらでご覧いただけます。

11月19日に、日本語教員養成コースの授業の中で、シンガーソングライターの冨永裕輔さんに、「ことばと音楽」と題して、話をしていただきました。朝の1時間目でしたが、2年生以上の60名余りの学生が出席して、お話を伺いました。

 

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冨永さんが歌をつくる時、ことばが先に生まれ、曲があとなのだそうです。これが、数々の歌からメッセージがしっかり伝わってくる理由の一つだと思いました。

授業の中で、アカペラで歌ってもくださり、透き通った歌声に聞き惚れました。

学生からのコメントや質問を、授業後にお送りしたところ、何ページにもわたるお返事をくださり、学生たちは大いに励まされています。

 

日本語教育で歌を取り上げるときには、ことばを大切にしている歌を選びたいと改めて思いました。

 

メディア・コミュニケーション学科の学生で、日本語教員養成コースに興味のある人は、2年次に「日本語教育概論」「日本語学概論」などのコースに必要な科目の履修を始めてください。正式なコース登録は3年生になる時に行います。

(報告:守山惠子)

授業科目名「ワークショップA」と聞くと、いったい何の授業だろうと?不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。メディア・コミュニケーション学科では、メディア、コミュニケーション、デザインの3つの分野について多角的にアプローチする「ワークショップ」という授業を展開しています。

その中の「ワークショップA」は1年生と学科教員が全員参加するというユニークな授業です。共同的に学びながら、メディア・コミュニケーション・デザインの世界を探検します。

今年のテーマは「ミュージアム」です。

福岡にもたくさんの「ミュージアム」がありますが、それらを、3つの分野からアプローチするとどのようにみえかたが変わってくるでしょうか?そして、それぞれはどのように接続しているのでしょうか?

実際にミュージアムに足を運んだり、現場の方のお話をうかがったりしながら、共に考えます。

しめくくりは、それぞれの発想で、福岡の”ミュージアムなるもの”を、考案するという実践です。

どんなものが生み出されるのでしょうか?現在、創作を進めています。

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私は、8月20日からの4日間集中講義で、溝尻真也先生の「マスカルチャー論」を受講し、コンテンツとメディアの関係が明治時代から今に至るまでに、どのように変化していったのかをポピュラー音楽を主な題材として学んだ。ロック音楽が、白人による社会批判として広まったものだという事や、YouTubeの歴史、ニコニコ動画が人気である理由など、ポピュラー音楽に関係する多様なジャンルを年代ごとに様々な視点から見る事はとても新鮮だった。

最後の授業で「自分の心に残っている思い出の曲」を1人ずつ発表し、その人の当時の心境、また背景には何があったのかを読み取る活動があったのだが、私は福山雅治さんの「蜜柑色の夏休み」という曲をあげた。私が幼い頃の夏休みに、蜜柑農家をしている祖父母のもとへ遊びに行った時の心境に歌詞がぴったりで好きな曲だったからだ。他の受講者が語る、どの思い出の曲に関するエピソードも深いもので興味深く、温かい気持ちになった。この授業のおかげでメディアに対する興味がさらに深まっただけでなく、自分が知らない他の人の様々な体験を聞く事ができ、非常に意義深い時間だった。

(メディア・コミュニケーション学科1年 Y.S さん)

6月29日、私たちは九州国立博物館を訪れました。

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九博は日本の国立博物館の中で比較的新しい建物で、耐震や、自然との一体化を狙った構造をしていました。

活動は、前半に常設展の観覧、後半にバックヤードツアーが行われました。常設展では、展示の特徴や工夫をメモを取りながら回りました。展示方法も様々で、博物館側の意図を感じるつくりでした。

後半のバックヤードツアーでは、館内の説明をして頂いたり、普段はふれることのできない作品の修理場や保存庫を見せて頂きました。

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九博では、多くのボランティアの方が博物館の運営を支えており、ツアーの中でもお世話になりました。九博は市民が守る博物館でした。修理場や保存庫にも様々な工夫があり、多くの人の知恵が生きているのを感じました。特に、修理の技術は昔ながらの方法が受け継がれ、作品を大事に守っているようでした。

 

 

後日、「ワークショップA」の授業で、私たちは班ごとに分かれ、今回の訪問についてまとめ、発表をしました。話し合いの中で、皆、普段気づかずにいた展示側の意図や工夫に目を向けたことが分かりました。今回は観覧者として博物館や展示品を拝見しましたが、この先、私も製作をする立場になりたいと思っています。

この活動で私は、製作側がどういうものか少しは学べた気がします。今後も授業活動等を通じて、製作の立場を学んでいきたいです。

(メディア・コミュニケーション学科1年 K.Tさん)

メディア系専門科目の一つ「マスメディア・フィールドワーク」を担当する徳永です。この科目は、表現学科での実績を引き継いでいて、夏休み初めに4日間集中で開講します。今年度、表現学科での受講生は21人で、8月6~9日に完了しました。どんな内容だったか、期間中もっともハードな、3日目を中心に紹介します。

 

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8月8日(水)午前9時30分、KBC玄関ロビー集合。遅刻者なし!午後5時まで、予定がギッシリ詰まっています。

今、福岡の地上波テレビの親局の電波は、全部、福岡タワーから発射されています。KBCのタワーは、携帯電話の基地局などに活用されていますが、先端のテレビアンテナは取り外されていて、なんとなくサビシイです…。

 

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午前9時50分、KBCの視聴者・広報室の方の先導で、生放送本番直前のスタジオ・フロアへ。番組は、系列7局共同制作の情報ワイド「アサデス。九州・山口」。説明に、真剣に耳を傾けています。

受講生は、清潔感重視の衣装、化粧と、ヒールが低く足音の静かな履物がオヤクソク。ケータイは、もちろん持ち込みません。

 

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当日は水曜日で、番組は恒例の「おとなのオンナTV」の日。メインキャスターの宮本さんは、セットの隅っこに隔離されていました。

 

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スタジオの高い天井付近に隣接する、通称サブ(スタジオ副調整室)では、予想外の人数のスタッフが働いています。音だけのラジオと違って、テレビは映像作りに人手がかかるのです。ところで、写真中央の女性がオンエア・ディレクター。この日は、われらが福岡女学院大学の先輩が担当していました。

こうして午前の部が進み、午後は、1時から5時まで、55分間のレクチャー+Q&Aが4コマ設定されていました。

 ・ラジオ番組ディレクター (男性)

 ・アナウンサー      (男性)

 ・テレビ番組プロデューサー(女性)

 ・制作プロダクション テレビ番組ディレクター (女性) 

 

KBCのみなさま、お世話になりました。

受講生のみなさん、おつかれさまでした。

(報告:徳永至)