2013年8月アーカイブ

ラジオ実践報告1

メディア・コミュニケーション学科メディア研究ゼミ(徳永ゼミ・林田ゼミ)では、KBC九州朝日放送のラジオ番組「ラジドラ学園」(毎週火曜日 24時30分放送)と共同企画を展開しています。

その名もSoRA (Sound and Radio) Project. 私たちが何気なく過ごしている毎日の”音”をスマートフォンなどを使って集め、それをラジオでオンエアすることを通して、私たちの日常生活や音の風景、ラジオをめぐるコミュニケーションを考えようというものです。 

8月からは、学生もラジオ番組に出演して、司会の沖アナウンサーとともに日常の音に関する様々なお話をご紹介しています。

最初は、”音”を集め、アーカイブしていくことから始まりましたが、現在はその”音”を使った短いストーリーを制作しています。何気ない音からどんなストーリーが紡がれるのか。学生とラジオ・ディレクターの力作をぜひオンエアできいてみてください!

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(報告:林田真心子)

コラム 「読書のすすめ」

メディア・コミュニケーション学科では、表現学科から引き続き”読書マラソン”というものを行っています。「大学4年間で本を100冊読もう」という取り組みです。

みなさんは、読書は好きですか?本の中には、自分の人生だけでは体験できない喜びや悲しみ、いろいろな世界への冒険が待っています。私は、ミステリーが好きなので、名推理をはたらかせ、犯人を追いつめたりしています。

読書っていいなと思うことは、いくつもありますが、私の読書から得た体験エピソードを一つ披露しますね。

 

『仏果を得ず』三浦しをん著 双葉社

演劇を熱心にしている学生から、この本を読んだら三味線を弾いてみたくなったと薦められ、読んでみました。最初は、題材になっている人形浄瑠璃に、全く興味も関心もありませんでした。しかし、読んでみると文章も読みやすく太夫、三味線、人形遣いを身近に感じることができ、文楽に興味をもちました。

後日、その学生がチラシを持ってきました。アクロスで文楽をわかりやすく紹介してくれる「文楽いろはレクチャー」が開催されるというものです。実際に文楽を見てみたくなっていた私は早速参加しました。体験あり、演目の上演ありで満喫できました。事前に本を読んでいたので、より分かりやすく感じたと思います。

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翌日、偶然太夫の方に会い、年末博多座で行われる公演の際には、ぜひ楽屋にとお誘いを受け、初めて博多座にも行きました。

自分の興味関心の範囲では、きっと触れることのなかった文楽。このことを機会に、能や狂言などにも時々出かけるようになりました。今では、日本の伝統芸能を観に行く大人な女性になっています。

ぜひ、みなさんもいろんな本と出会い、新しい自分を楽しんでください。

(学科スタッフP)

もうすぐ女学院大学・短大のオープンキャンパスです。

さて、高校生のみなさんは、あいづち、うなずきの意味で「アーネー」を使いますか?この「アーネー」はとっても面白い言葉です。その面白さを少し資料をあげながら、述べてみたいと思います。まず、この「アーネー」は福岡の方言だということです。それも若い人を中心に使用されている方言です。実は方言の中には、年配の方が使わない方言もあるのです。では、以下のURLをご覧ください。

http://kenz.linguistic-atlas.org/chus/21/2107a8.htm

これは群馬女子大学の高橋先生作成の一連の言語地図の1項目です。僕も調査のお手伝いをしてきました。引用を許可して下さった高橋先生に感謝します。2000年に各地の大学生へ調査して、「自分の地元での中学生の頃を思い出して、「アーネー」を使っていたかどうか」を尋ねたものです。白色は自分が使っていた、水色は自分は使わないが、地元で聞いたことがある、紺色は地元で聞いたことがないという回答です。全国の中で、福岡市あたりにだけ集中して白色(自分が使っていた)があることがわかります。この語は北九州から生まれたとの説がありますが、この地図をみる限り、それは考えにくいかと思います。北九州では紺色の「聞いたことがない」の回答が広がっているからです。

この「アーネー」は上の年代には、不評です。あの「アーネー」という独特の抑揚(しり上がりの音調)が、相手に対し、ちゃんとあいづちをしていないような印象を与えてしまうからです。使う側はそんなつもりはないのですが、誤解をまねいてしまうのです。世代におけるコミュニケーションギャップを生みかねないものです。しかし、福岡で最近は、上の世代へも広がりつつあるようです。子供が頻繁につかうので、その親もいつのまにか使うようになっているようです。幼稚園や小学校の保護者の方が使うのを耳にします。このように「アーネー」は皆さんより上の世代へ広がりつつあるようです。

さて、皆さんの中には福岡県以外の九州の方もいらしゃると思います。そうした方も「アーネー」を使うのではないかと思います。現在、「アーネー」は地域的にも拡大を続けているのです。その話はまた次回に。(二階堂整)