2013年6月アーカイブ

メディア・コミュニケーション学科の1年生が全員一緒に履修している科目はいくつかありますが、そのうちの一つワークショップA(WSA)は、学科の教員全員が一緒に担当しているという点で、ユニークです。このWSAの今年度のテーマは「ミュージアム」です。最初の授業では、学生一人一人が「入学して、みつけたこと」を写真に撮り、発表しました。写真はそのいくつかです。その後、それぞれの教員の専門の立場から、ミュージアムを考えたり、ミュージアムで働いていらっしゃる方のお話を伺ったりしています。

 

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      「みつけたこと」 撮影:メディア・コミュニケーション学科1年のみなさん

 

さて、私がミュージアムとの関連で思い浮かべるもののひとつに「図録」があります。我が家には、これまで私や家族が行った展覧会の図録がいろいろあります。それを眺めていると、その展覧会の様子やその時に一緒に行った人との会話を思い出したり、展覧会ではあまり注意を向けなかった作品に改めて出会ったり、心打たれた作品ともう一度対話したりすることができます。実は、「これ以上我が家に図録を増やしてどうするの」という思いもあって、買おうかどうしようかと迷うことも少なくなく、迷った末に買わずに帰って後悔することもあります。我が家にある図録は、選ばれた思い出深いものたちだと言えます。ある時、美術史が専門の大学時代の恩師が我が家を訪れてくださって、「あ、これに行ったの?」とか「これはいつの?」などと図録を次々手にされながら尋ねられた時には、自分自身を見透されたような気がして、ちょっと恥ずかしかったのを思い出します。

先日、ふと手に取った図録は、『魂を揺さぶる人間の賛歌』という題の馬越陽子展のものでした。1994年に第17回安田火災東郷青児美術館大賞を受賞した記念の作品展の時のものです。ぱらぱらと図録をめくっていて、「意志(生きる)」と題した作品に気づき、魅かれました。20年前に図録を買っておいてよかったと思う瞬間です。なぜ魅かれたのでしょう。「人は、いろいろな闇から完全に離れることはできないけれど、闇を背にして、闇の重さも感じ、闇を背負いながら、なお、光に目を向ける」という「意志」を感じたからかもしれません。馬越陽子氏は、独立美術協会会員で、アートアニュアルオンラインの2012年、第80回独立展の案内に、出品作品が掲載されています。

http://www.art-annual.jp/othres/7939/ 2013.6.26アクセス)

 

WSAは、メディア・コミュニケーション学科の学生の皆さんにとって、ミュージアムを身近に感じ、ミュージアムについて考え、ミュージアムを理解するよい機会です。WSAをきっかけに、ミュージアムに足を運べば、きっと心に残る作品や展示品に出会えるだろうと思います。6月29日には、全員で、九州国立博物館に出かけます。

(守山惠子)

初年次教育研究活動報告会

6月11日(火)、初年次教育研究活動報告会をしました。

 

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メディア・コミュニケーション学科の教員である私たち(二階堂整、守山惠子)は、昨年度から学院活性化推進助成金を得て、初年次教育研究活動を行っています。学生が、大学での勉学の基礎となる力をつけるための方法を提案することが一つの大きな目的です。今年度のメディア・コミュニケーション学科の入門ワークショップでは、その成果を生かし、小論文を書くことなどを通して、論理的な力を養っています。

6月11日(火)午後5時半~7時に、学内の教職員対象の報告会(中間報告会)を開催しました。学院理事長をはじめ、他学科や他学部の先生方、職員の方々、そして、メディア・コミュニケーション学科の先生方が、多数出席してくださいました。報告会では、教員と学生が授業や度々の小論文課題にどう取り組んでいるかといった具体的なことを中心に話し、また、提案をしました。報告会では貴重な情報交換、意見交換ができました。これを今後に生かしたいと思っています。

 

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この報告会は、2012年度の表現学科基礎ワークショップ(二階堂、守山クラス)の学生の皆さんとメディア・コミュニケーション学科の学生の皆さんが、授業や課題にしっかり取り組んでくれた、取り組んでくれているおかげで、開催することができました。学生の皆さんと一緒に、さらに実りのある初年次教育に取り組みたいと思っています。

(報告:守山惠子)