教員コラム2 「レッドハウス」訪問 清川直人

Column2 「レッド・ハウス」訪問

 

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一度は訪れてみたいと思っていた、ロンドン郊外に建つ「レッド・ハウス」に行ってきました。          

 

 

 

 

 

 

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1859年に完成したレンガ造の住宅で、建て主はウィリアム・モリス。「アーツ・アンド・クラフツ運動」という工芸・デザイン活動を推し進めた人です。友人のフィリップ・ウェッブが設計しています。この建物そして内装や家具などがこの運動のシンボル的存在となっていて、デザイン史には必ず出てくる建物です。築後150年経っていますが、石造やレンガ造が多いイギリスでは珍しくはありません。

 

 

kiyokawa1.jpgL型の平面をした二階建てで、各部屋は想像していたよりもこぢんまりと小さく、素朴な感じです。この建物が敷地を大きく三つに区分しています。一つ目は敷地入り口から建物のエントランスにつづくアプローチのための庭、二つ目は一番多く写真に撮られている、L型に曲がった建物に囲まれた落ち着きのある庭、三つ目は奥に回り込んだ、多くの果樹や花が植えられ菜園もある庭、いずれも独特の眺めを持っています。

 

 

ここはロンドンの中心から電車で30分程度のところで、当時は相当田舎だったのだろうと思います。現在、周辺は普通の住宅地になっていますが、道路が広過ぎて少し殺伐とした感じを受けます。住宅のデザインもあまり良いとは言えません。「レッド・ハウス」がすばらしいだけに残念な景観でした。(清川直人)