言語芸術学科で「詩のスタイル」、「名作を読むⅠE」、「イギリス文学Ⅰ・Ⅱ」などを担当する上村忠実です。専門はイギリス文学で、特に詩を研究しています。
イギリスで生活することが趣味で、まとまった時間が取れると、すぐにイギリスに飛んでいます。昨年は、なんと毎月、イギリスに滞在しました。イギリスで何をしているかというと、優雅にお茶を飲みながら、本を読み、授業のこと、論文のことなどを考えています。観光客としてではなく、一般庶民として生活しているので、日常生活のなかで見たり、聞いたりして考えることが、自分の財産になっています。授業では、自分の体験をふまえながら、日本とイギリスを比較して、わかりやすく話すことを心がけています。外国の文化や文学を学ぶのに、日本にいて本からだけの知識や情報を集めても、それは借り物で、どうしても限界があります。ですから、時間とお金はかかっても、できるだけ現地で生活するようにしているのです。
言語芸術学科では、3年生は全員、国内か海外でフィールドワークを行います。海外でのフィールドワークは、イギリスで行われます。エディンバラ、マンチェスター、ロンドン、そして湖水地方、ハワース、ストラットフォード・アポン・エイヴォンなど、一度は訪れてみたい町を、学問的に掘り下げながらご案内します。
投稿時間:2012年10月10日 15:02 | 固定リンク
2012年10月10日
心理学と宗教に関する一考察 : 授業科目〈心理学概論B〉のある日の授業内容より
科学・技術が進歩して命の様子が解明されるようになりました。と同時に、命の操作が可能になりました。心理学を学ぶということは、命について、そして、生きることの意味について、真正面から捉え考えなおすということでもあります。
「心理学概論B」の2回目の講義では、出生前診断を受けるか受けないかを選択判断し、さらに各自の判断の根拠について考えました。「生まれてくる子どもが障害をこうむっているとわかったとき、私だったらどうするのだろう。産むのだろうか産まないのだろうか?」と自問自応しました。
正確な情報を数多く収集すればするほど、例えば、障害児が産まれる確率が厳密になれば、賢い判断ができるのでしょうか。収集した情報が多ければ「こんなはずではなかった」との後悔は少なくなるかもしれませんが、学びをとおして培う賢さは「こんなはずではなかった」を乗り越えようとするときに、何をどうしていいかわからないときにこそ発揮されます。学びが賢さに通じるかどうかは、日頃から「~とは、何か?」と物事の意味について自分なりに考えているかどうかにかかっているように思えます。
出生前診断について考えるとき、「命とは、何か?」という問いに取り組むことになります。命にかぎらず、意味をめぐる問いには、教科試験の問題を解く場合のように、誰にとっても正しいと言える答(正答)はありません。私たちは、「こんなはずではなかった」に遭遇して、心に余裕がなくなり、心が不安定になったとき、「~とは、何か?」と問わなくなります。そして、「~を、どうするか?」とやみくもに悩みがちです。
考えるときの心と悩むときの心は、異なっています。例えば、「家族とは何か?」「友人とは何か?」「仲間とは何か?」といった意味をめぐる問いは考えることになりますが、意味を抜きにして問題を解決しようとする「よい人間関係をつくるには、どうするか?」は悩みになってしまいます。
出生前診断を自問自応して、次のような対照的な聴講メモがありました。一方は『出生前診断を受けて、障害があると分かって、産むか産まないかを判断しないといけなくなる時に、障害があるから産まないというのは、あまりにも親の身勝手ではないかと考えてしまいます。そんな事をするより、分からないで産んだ方がいいと思います。』といったもので、もう一方は『受ける。その理由は、私が母親になるうえで色々な覚悟が必要だからです。もし子供に障害があるなら、その覚悟が必要です。生まれてくる子供を万全に迎えられるように診断を受けます。』といったものでした。両者は、出生前診断を「受ける・受けない」のいずれであるかの意見としては対照的ですが、両者とも「命とは、何か?」という問いに取り組んできており、畏怖・希望・愛しさといった命の意味について考えてきたことの表明です。
福岡女学院大学には、毎日のチャペル(礼拝)の時間があります。心理学の発想からすると、宗教の時間というより、心を鎮めて「~とは、何か?」をめぐって物事の意味を考える場が設けられていることになります。心に関心を向けている多感な者たちが、悩みに陥って「~を、どうしよう?」と右往左往しっぱなしにならないように、カリキュラムにも「~とは、何か?」を、とりわけ自らの行動・行為の意味を考え抜く賢い姿勢を培う場として、宗教(キリスト教)の授業があります。
(担当:長野)
投稿時間:2012年10月10日 13:06 | 固定リンク
投稿時間:2012年10月 9日 08:57 | 固定リンク
2012年10月08日
ヨーロッパ研修の報告(ベルリン・ウィーン編)
9月1日から12日間、ヨーロッパ研修に参加しました。今年は、ドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国です。福岡を出発し、香港を経由した後、約12時間のフライトを終えフランクフルトに到着しました。ここから電車を乗り継ぎ、ベルリンに到着したときは、綺麗な町並みと異国感に魅了され、長時間の移動での疲れも吹っ飛びました。
ベルリンでは、ベルリン大聖堂やイーストサイドギャラリー、博物館島などを訪れました。中でも私のお気に入りの場所は、ベルリン大聖堂とドイツ連邦議会議事堂です。大聖堂は、1700本のパイプを持つオルガン、地下聖堂には美しく装飾された王家の棺が100墓以上納められており、歴史を感じることもできます。建物の外観、内部の荘厳で美しい装飾やステンドグラスに魅了されました。議会議事堂は、名前の通りドイツ連邦議会の本拠地であり、ベルリンの町並みと行政区域が見渡せるガラス張りの丸い屋根が特徴の建物です。らせん状に登ることができるガラス張りのドームは観光名所となっており、私達が訪れた夕方には、綺麗な夕日を見ることができました。
ベルリンからプラハへ移動し、7日目にはウィーンにやってきました。ウィーンでは、美術史美術館やシュテファン寺院を訪れたほか、建築めぐりをしました。8日目に訪れたシェーンブルン宮殿は、私がこの研修で訪れた数々の名所の中で最も印象に残っている場所です。ハプスブルグ家の夏の離宮だったバロック宮殿では、マリアーテレジア女帝やエリザベート皇后の暮らした部屋、1441室のうち最も重要な約40室が一般公開されています。また、丘の上に立つグロリエッテ前からは、シェーンブルン宮殿とウィーンの街並みを眺めることができます。この宮殿とその広大な庭園すべてがユネスコ世界遺産に指定されているだけあり、どこを見てもとても美しく、素晴らしい絶景に心が癒されました。
正直に言って、私はこの研修に参加するまではヨーロッパにそれほど興味がなかったのですが、想像以上に美しい町並み、美味しい料理、時間がゆっくりと流れている雰囲気など、様々な魅力に引き込まれていきました。長時間の列車移動や、街中では歩いての観光で疲れもありましたが、異文化に触れ、多くのことを学ぶことができ、毎日が新鮮で色濃くとても充実した12日間でした。そして何より、研修で多くの友人と出会い、最高の思い出が作れて本当に良かったです。(4年後藤さん)
投稿時間:2012年10月 8日 12:31 | 固定リンク
2012年10月06日
現代文化学科 facebookページ 更新中です!
現代文化学科では、2012年7月に学科のfacebookページを立ち上げ、情報を発信しています。
http://www.facebook.com/home.php?ref=hpskip#!/fukujogendai
現代文化学科の教員スタッフが学科のイベントやユニークな授業、学外での研修、日々の何気ない学科ニュースの情報を掲載していきます。学科公式HP「現代文化学科Today」とともにfacebookページもよろしくお願いします。
投稿時間:2012年10月 6日 13:35 | 固定リンク
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