2013年06月26日
教員コラム9 「図録」守山惠子
メディア・コミュニケーション学科の1年生が全員一緒に履修している科目はいくつかありますが、そのうちの一つワークショップA(WSA)は、学科の教員全員が一緒に担当しているという点で、ユニークです。このWSAの今年度のテーマは「ミュージアム」です。最初の授業では、学生一人一人が「入学して、みつけたこと」を写真に撮り、発表しました。写真はそのいくつかです。その後、それぞれの教員の専門の立場から、ミュージアムを考えたり、ミュージアムで働いていらっしゃる方のお話を伺ったりしています。
「みつけたこと」 撮影:メディア・コミュニケーション学科1年のみなさん
さて、私がミュージアムとの関連で思い浮かべるもののひとつに「図録」があります。我が家には、これまで私や家族が行った展覧会の図録がいろいろあります。それを眺めていると、その展覧会の様子やその時に一緒に行った人との会話を思い出したり、展覧会ではあまり注意を向けなかった作品に改めて出会ったり、心打たれた作品ともう一度対話したりすることができます。実は、「これ以上我が家に図録を増やしてどうするの」という思いもあって、買おうかどうしようかと迷うことも少なくなく、迷った末に買わずに帰って後悔することもあります。我が家にある図録は、選ばれた思い出深いものたちだと言えます。ある時、美術史が専門の大学時代の恩師が我が家を訪れてくださって、「あ、これに行ったの?」とか「これはいつの?」などと図録を次々手にされながら尋ねられた時には、自分自身を見透されたような気がして、ちょっと恥ずかしかったのを思い出します。
先日、ふと手に取った図録は、『魂を揺さぶる人間の賛歌』という題の馬越陽子展のものでした。1994年に第17回安田火災東郷青児美術館大賞を受賞した記念の作品展の時のものです。ぱらぱらと図録をめくっていて、「意志(生きる)」と題した作品に気づき、魅かれました。20年前に図録を買っておいてよかったと思う瞬間です。なぜ魅かれたのでしょう。「人は、いろいろな闇から完全に離れることはできないけれど、闇を背にして、闇の重さも感じ、闇を背負いながら、なお、光に目を向ける」という「意志」を感じたからかもしれません。馬越陽子氏は、独立美術協会会員で、アートアニュアルオンラインの2012年、第80回独立展の案内に、出品作品が掲載されています。
(http://www.art-annual.jp/othres/7939/ 2013.6.26アクセス)
WSAは、メディア・コミュニケーション学科の学生の皆さんにとって、ミュージアムを身近に感じ、ミュージアムについて考え、ミュージアムを理解するよい機会です。WSAをきっかけに、ミュージアムに足を運べば、きっと心に残る作品や展示品に出会えるだろうと思います。6月29日には、全員で、九州国立博物館に出かけます。
(守山惠子)
投稿時間:2013年6月26日 11:46 | 固定リンク
2013年06月25日
短期留学報告(2)~アメリカ編
さて、6月に入り、チャペルの時間に短大の留学制度を利用して語学研修に行った学生の発表が行われていますが、今回は、アメリカのジョージア州、アトランタに留学したR.Sさんの報告を紹介したいと思います。(*Open Campusでは、彼女に直接話を聞くことができます)
私は短期海外語学研修支援金制度を利用し、2月の3日から3月2日の4週間、アメリカジョージア州のアトランタへ行きました。アトランタは、合衆国で9番目に人口が多い町で、コカコーラやデルタ航空の本社、24時間ニュース放送をしているCNNなど、世界を代表する企業があり、アメリカ南部の商業・経済の中心としての役割を担っています。1996年の夏にはアトランタリンピックが開催されました。
私が通った語学学校はOGLETHORPE大学の中にあるEFという学校です。この語学学校は、世界中にあり、クラスメイトも国際色豊かです。私のクラスメイトはブラジル、チリ、フランス、スイス、サウジアラビア、中国、ロシア、エクアドル、の9カ国で私を含め11人からなるクラスでした。
初めの3週間はホームステイをし、ホストマザーと日本人ルームメイトと私の3人でした。ホストマザーはとても気さくで素敵な方でした。朝はサンドウィッチやスクランブルエッグ、夜はビーフシチューなどおいしいご飯を作ってくれました。
ルームメイトは私と同じ年の日本人の女子大生でした。一緒に宿題をしたりショッピングに行ったり、お互いの夢を語ったりと、留学生活の中で掛け替えのない友人でした。
私が留学先としてアメリカのアトランタを選んだ理由はこの町がアフリカ系アメリカ人公民権指導者として有名なキング牧師ゆかりの土地だからです。調査のため週末には、ホストファミリーとルームメイトの3人で、キング牧師歴史記念地区に行きました。ここにはキング牧師が生前着ていた、洋服や使用したマイクなど、キング牧師にまつわる品物が展示されています。教会内ではキング牧師のスピーチが流されていて、まるでその場にキング牧師がいるような気持ちになりました。壁や記念碑に書かかれた平和を願う言葉の一つ一つがとても胸に響きました。
私は通学中バスに乗りながら、バスボイコット運動のローズ・パークスさんの話を思い出しました。今は当然のように、肌の色や人種に関係なく誰もが自由に席を選び、バスを利用することができます。このような差別のない社会が当たり前になった陰には、キング牧師の大きな努力があることを改めて痛感しました。
また実際クラスメイトに、キング牧師についてどう考えているか聞いてみました。友人の一人は``It's wrong to judge people by the color of their skin. He is a hero of the world not only of America''と言いました。他のクラスメイト達も``He is a hero''と口をそろえて言いました。改めてキング牧師は世界の英雄であると実感しました。
この短期留学を通して、キング牧師の足跡をたどることができたばかりではなく、人種の垣根を越えて、様々な人たちと出会えたことは、私にとって一生の財産となりました。海外で自分一人で考え行動した経験は私にとって大きな自信に繋がりました。短期海外語学研修支援金制度でアメリカのアトランタにいかせていただいたことに、心より感謝しています。
投稿時間:2013年6月25日 16:06 | 固定リンク
投稿時間:2013年6月25日 01:46 | 固定リンク
2013年06月25日
【ゼミの学外調査】 長崎における文化遺産のフィールドワーク
文化遺産をテーマとする田中ゼミ(3年)では、戦国時代から明治時代に至る長い間、日本の玄関口の役割を果たしてきた長崎で、中国、ヨーロッパとの文化交流の遺産を訪ねる日帰りのフィールドワークを行いました。
長崎に到着して、まず国宝に指定されている大浦天主堂を訪れました。
そして長崎の伝統工芸であるびーどろ(ポピン)の絵付けを体験しました。球状になっている薄いガラスに思い通りの図柄を描くのはなかなか大変です。
午後には中華街や復元作業が進む出島跡を見学しました。
最後にフィールドワークの総まとめとして長崎歴史文化博物館を見学し、それまで見てきた場所の歴史的意義、特に、キリスト教と日本の関わり、長崎が中国やヨーロッパへの窓口として果たしてきた役割について学びました。長崎歴史文化博物館では、史実に基づいた密貿易に関する長崎奉行の裁きのお芝居を観劇することもできました。
長崎に息づく異文化交流の遺産についての理解を深めた一日フィールドワークになりました。
▼現代文化学科Facebook
http://www.facebook.com/fukujogendai
投稿時間:2013年6月25日 01:25 | 固定リンク
大学の勉強は講義だけではありません。むしろ講義以外での勉学の場が学生たちを大きく成長させることになります。
言語芸術学科では入学前の学生たちに声をかけ、ネットラジオを手がけてきました。まだ高校生だった学生たちに大学に来てもらい、事前に打ち合わせ、試験的に録音を繰り返し、5月に正式に言語芸術学科ネットラジオ局を立ち上げました。
中学生、高校生時代、誰もがお世話になった深夜ラジオ。そのぐだぐだ感を再現!!4人のパーソナリティが、くだらない、でも考えさせられる会話を展開しています。この経験によって様々なスキル、知識を磨き、はぐくみことでしょう。
繰り返しになりますが・・・大学の勉強は講義だけではありません。講義と講義の間、大学の様々な場所に勉学のチャンスがあります。このネットラジオはそのほんのひとつにすぎません。これから学生たちはもっと多くの勉学の場、機会を見つけて自らを磨いていきます。
http://net-radio-fj.seesaa.net/article/357481602.html
(bunkei)
投稿時間:2013年6月22日 21:42 | 固定リンク
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