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人間関係学部 心理学科 現代文化学科 Today

2013年1月 一覧

2013年01月25日

アメニティに関する資格

 本学で取得可能なアメニティ関連の資格としては、日本生理人類学会が認定するアメニティスペシャリスト(生理人類士2級)とアメニティコーディネーター(生理人類士準1級)があります。この資格は、色彩やデザイン等の関連分野において、人に優しい製品の開発に携わり、真に健康で快適な生活環境の構築に貢献する人材を育成することを目的としています。
 アメニティとは、環境が心理的、生理的に快適で安全であることを言います。この資格は、現代の環境が人間本来の生理機能や心理にどのような影響をあたえているかを検証し、生活のアメニティを豊かにする学問を修めた人に与えられます。

  2012年度の心理学科の合格者は、生理人類士準1級10名、生理人類士2級21名の合計31名でした。                           

(担当:船津)

 

アメニティ関連資格の取得を目指して勉強している学生の感想:

「私と生理人類学との関わり」

  私は生理人類学を学ぶにつれて、日常生活で何気なく取る姿勢や動作は、心身の疲労やストレスに大きく影響していることを知りました。そのため近年では、そのことを視野に入れ、身の回りの製品や空間のデザインのあり方を考慮する必要があると考えるようになりました。
 そしてこの度、家具メーカーへ企業研修に伺い、家具デザインを制作させていただくことになりました。家具とは生活全般に関係し、暮らしに重要な役割を果たしており、家具のあり方は人間のあり方にも影響しているものではないかと考えます。生理人類学で学んだ知識を生かし、人間の身体特性を尊重したデザインを考案することが出来ればと考えております。また環境に良く、素材の良さを生かした、温かみや心地よさを感じられるような家具製品の制作を心がけたいと思っております。そのためにも生理人類学の学問により一層励み、知識を深め、私の周りの方々やたくさんの方々が、幸せに暮らしていけるようなお手伝いが出来るよう精進していきたいです。

(2年生 Yさん) 

投稿時間:2013年1月25日 11:25 | 固定リンク

2013年01月24日

大学院生の自主研修と学生ボランティア:高齢者施設における「回想法」の実践

 回想法は、アメリカの精神科医R.バトラーが提唱した心理療法で、高齢者の心理的アプローチの手法としてよく使用されています。この療法では思い出の品や昔の写真などを題材に語り合い、よき聞き手から傾聴されることで高齢者の心理的安定を図ります。高齢者はこの作業を通して、自分の人生の意味や価値を再認識し、人生を肯定的にとらえて、死に対する準備という老年期の課題に取り組むといわれています。

 このような回想法を「お話会」と称して、私たち大学院生は近隣のグループホーム2か所で、それぞれ月に1回1時間程度実施しています。お話会では毎月テーマを決めて、そのテーマに沿った昔の写真を数枚用意し、高齢者の思い出話に耳を傾けます。その際写真だけでなく、外出する機会の限られている高齢者のために、草花など季節を感じ五感に訴えかけるような素材を使用することもあります。また季節の童謡や昔の歌謡曲の歌詞カードをカラフルな絵や写真を盛り込んで作り、グループで歌っています。なかなかお話にのってこられない認知症の進んだ方も、歌はよく覚えているようで率先してとても楽しそうに歌われるのが印象的です。昔の歌謡曲など私たち学生は知らないものばかりですが、あえて事前に練習していくということはせず、人生の先輩に教えていただくという姿勢で取り組んでいます。

 お話会には学部生にもボランティアで入っていただいていますが、日頃なかなか高齢者と接する機会が少ないためか、月に1回の穏やかで心満たされる時間がとても貴重な体験になっているようです。一度回想法に参加した学生は「すごく楽しかった。お年寄りに元気になってもらおうと思って行ったのに、かえって私たちが元気をもらった。また絶対行きたい」と口を揃えて言います。高齢者の方々も月に1回のお話会を心待ちにしておられ、帰り際には「あなたたちが来ると私たちも20歳若返る。ああ楽しかった。来月もまた来てくださいね。待ってますよ」とおっしゃってくださいます。

 回想法は私たち学生にとって気忙しい学校生活の中でほっとできる癒しの時間です。同時に様々な体験を重ねて今日まで生きてこられた人生の達人に敬意の気持ちを抱き、自分たちも今後困難があっても力強く生きていこうと励まされる時間でもあります。このように高齢者、学生双方にとって和やかな時間と生きる力をもたらしてくれる回想法を、来年、再来年、それ以降も絶やすことなく続けていけたらよいなと思っています。

(修士1年 Tさん)

投稿時間:2013年1月24日 11:42 | 固定リンク

2013年01月18日

連載記事 サークル活動体験記

 学生生活では、サークル活動に打ち込むことは、授業やゼミに参加して勉学に励むことと同じくらい大切な時間の過ごし方です。サークル活動の中では、人間心理に関する現象も沢山体験することができます。一生懸命取り組むことで、“大切な何か”を得ることができることでしょう。心理学科の学生の皆さんに、サークル活動について自分たちの体験を語ってもらっています。

 

【これまでに掲載されているサークル】

 サークル活動体験記(1): ワンダーフォーゲル部

 サークル活動体験記(2): 社会福祉研究部

 サークル活動体験記(3): バスケットボール部

 サークル活動体験記(4): 創作舞踊部

 サークル活動体験記(5): 写真部

 サークル活動体験記(6): 学友会総務

 

【体験のなかにある学び】

 サークル活動を通して、活動している人達は授業とは違う「学び」を体験しているようです。

 どの学問領域でも同じですが、ある領域の学問を一生懸命勉強して、その領域固有な専門知識や技術を身に付けると、それは単に知識として個人の中に蓄えられるだけでなく、自然とその知識や技術がその人の考え方やもののとらえ方、ひいては行動に大きな影響を与えてくると思われます,いわゆる専門性に根ざした考え方、あるいは専門領域に固有な視点、考え方といったものにあたります。

 心理学科では、授業やゼミでは個人の内面を深く識ることや人間関係に関する学びを主に行っています。授業で学んだ「人の心理」に関する知識は、それを知っているだけでも、現実の日常生活や社会的活動のなかで活かされるようになります。さらには、それらは意識することでもっと確実なものとなり、その人固有の視点→個性ともなっていくと考えられます。

 (担当:米川)

投稿時間:2013年1月18日 14:37 | 固定リンク