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人間関係学部 心理学科 心理学科 Today

2013年10月07日

【教員レポート】サート(主動型リラクセイション療法)の展開:子育て支援・学校ストレスマネージメント

 心理学科科目の一つである「臨床心理学基礎実習Ⅰ」では、いくつかの心理療法の基礎を学びますが、その一つにサート(主動型リラクセイション療法;Self-Active Relaxation Therapy)があります。簡単に習得することができ、授業で学んだものを家族に、友人に実践してみて喜ばれたという報告もしばしば聞こえます。

 サートは福岡女学院大学を中心に研究・実践が活発に行われ、全国に発信されています。精神疾患や心理的不適応からの回復の援助だけでなく、より健康に、生き生きと生活するための手法としても取り入れられ、職場のメンタルヘルスケア、学校教育、子育て支援など、様々な場面で役立っています。

 ここでは、子育て支援の一環である「リラクセイション教室」の実践と小学校で行われる「らくらく体操」の実践を紹介します。

 子育て支援に関しては、福岡女学院幼稚園の保護者を対象に、「リラクセイション教室」受講者を募り、1対1でサートを行います。日頃子育てに追われ、自分を顧みる余裕がないお母さん方は、自分だけの、自分をじっくり味わう時間を持つことで、身体が楽になるのはもちろん、“子どもと楽しく遊べる”、“家事に意欲が出る”、“普段イライラすることが減った”、“イライラするときには、自分の状態をチェック、肩を動かしたりして落ち着く”など、心の変化も得られるようです。

サート子育て支援N1.JPG

 学校ストレスマネージメントとしては、最近近隣の小学校にサートが取り入れられている例を紹介します。朝の会が始まる前に、全員そろって「らくらく体操」をするということで、テレビモニターで案内する「ひとりサート」をみんなで行います。小学校2年生から5年生まで実践しているクラスは様々ですが、“楽になった”“気持ちいい”“ほっとする”など、子ども達の感想は共通しています。

サート小学校N1.JPG

 通常学級だけでなく、特別支援学級にも導入され始めています。特別支援学級の子ども達にはまず「らくらくな感じ」を体験してもらうことで「らくらく体操」(ひとりサート)への意欲を高めることを目的に、一人一人に対して1対1の基本的サートを行います。自分の身体の感じをとてもよく気づいたり、「らくらく」をしっかり実感したりと、子ども達の新たな一面の発見もあり、今後さらに活用されていくことが期待されています。

(担当:奇)