こんにちは、吉田修作です。学生からは「しゅうちゃん」と呼ばれています。言語芸術学科では「テーマシンキング」「名作を読むJ」などを担当します。文芸作品などがどのように生成されていくかを言葉を通して研究しています。例えば、宮崎峻監督の『千と千尋の神隠し』の中では、「言葉は力である。千尋の迷い込んだ世界では、言葉を発することは取り返しのつかない重さを持っている。」ということを作品の狙いの1つとしていると監督自身が語っています。この「言葉の力」は古代から現代にまで通じる重要な問題で、言語芸術学科で学ぶ中心的テーマになります。その他に、『千と千尋の神隠し』の「神隠し」、『もののけ姫』の「もののけ」、水木しげる作『ゲゲゲの鬼太郎』の「鬼(き、おに)」など、それらの言葉を追っていくと、民俗学という学問になっていきます。つまり、宮崎峻監督や水木しげるの作品は、実は文芸や民俗学などという学問を基にしていることが分かります。そして、言語や文芸、民俗学などは身近な題材から考えていくことが必要で、それを積み重ねていくと、文芸や妖怪、地域の祭りの研究にもなっていきます。それらのことについては、地域での講演やTV出演もしています。他に研究としては、日本古代文学の分野で、主な著書に『ことばの呪性と生成―混沌からの声―』(おうふう、1996年)、『文芸伝承論―伝承の<をとこ>と<をとめ>-』(おうふう、1998年)、『憑り来ることばと伝承―託宣・神功皇后・地域―』(おうふう、2008年)などがあります。