藤の花薫る初春の候、藤色の表紙の本が花開きました。女学院のスクールカラー、ぶどう色にも想いをはせます。私が執筆した日本語学の教科書『ベーシック現代の日本語学』が、ひつじ書房より出版されました。
表紙を見ると、思わず手に取って中を見たくなります。そこで表紙をめくると、「まえがき」が出てきます。その中に、福岡女学院大学人文学部で、学生に教えた講義をもとにして書いた、とあります。たとえば、「方言はなぜできたのですか」という質問に対する答えは、第11章「2.1方言の区画」の195ページに出てきます。
ところが、私が原稿に書いた「195ページ」は、できあがった本では「192ページ」となっていました。私は一瞬とまどいました。しかし、これによって読者は、第11章の「2.1方言の区画」(192ページから始まります)を最初から読み、最後に195ページの答えに行き着くことになります。この直しは、読者の学習にまで配慮したものでした。
索引を作るときにも、読者がある語を索引で調べたページに、読者にとって有用な情報があることが大事だということが、ひつじ書房作成による「執筆要項」に書かれています。単にその語が出てくるだけでは、読者が失望してしまうからです。本文の活字も、大小・濃淡のメリハリがあって、とても見やすい体裁です。
ひつじ書房は、この不景気な時代にあって、少人数のスタッフで、日本語学・言語学の本を次から次へと世に出しています。読者の立場に立ったこのような配慮も、増収益の理由の一つだなと、著者として本の出版に立ち会って思いました。
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ひつじ書房ホームページ http://www.hituzi.co.jp/
『ベーシック現代の日本語学』 http://www.hituzi.co.jp/books/438.html
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