南川教授コラム NGO「アジア教育開発」とカンボジア②

私たちが主にかかわっているのは二つの孤児施設。両方で150名ほどの子どもたちが生活している。この孤児施設を運営するのは Khmer Foundation for Justice, Peace and Development。カンボジア憲法評議員のメンバーでもあるSon Soubert氏が父親とともに設立した。父親は混乱期に総理を勤めた Son Sun氏。父子はポルポト時代にタイ国境にキャンプをつくり、ラジオで国民に向けて避難を呼びかけた。これを聞いた人々は昼間は身を隠し、夜間にジャングルを西に向けて歩いた。キャンプでは子どもたちのための学校を運営した。現在のカンボジアを支える人々の中にはここで父子に教育を受けた人も少なくない。内戦収拾後、街にあふれるストリート・チルドレンを収容する目的でプノンペン郊外に設立した孤児施設はやがて第二の都市バッタンバンにも開設された。大学人でもあるSon Soubert氏のこの活動を支える人々の中にはフランス、カナダ、アメリカ、韓国などの大学関係者も多く、夏にはソルボンヌ大学の学生やMITの学生たちもボランティア活動のためにやってくる。 ここでの私たちの活動のメインは進学する子どもたちへの奨学資金と生活物資の提供である。毎年、数名の学生をタイの大学に進学させている。大学での優遇措置を講じてもらい、一人年間30万円の費用を負担している。企業のほかに多くの個人の方々から支援をいただいている。また、衣類・文房具・歯ブラシ・石鹸などの生活物資のほかに、コンピュータやミシンなども提供している。
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HP担当者 | 南川教授の多文化コラム | 17:42

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