日野資成教授の日米比較文化論 2

今回は「目で見る日米の比較文化」と題して、日米の新聞に入っている広告の中から、お菓子の広告を比較します。アメリカ代表はパイで有名なレストラン、マリー・カレンダー(Marie Callender)、日本代表は「博多通りもん」で有名な明月堂です。マリー・カレンダーは60年の歴史を誇る、お菓子(パイ)のテイクアウトで有名なレストラン、明月堂も80年の歴史を持つお菓子の老舗です。


マリー・カレンダーはいつもアメリカ人のおばあさん、おじいさんでにぎわっていました。おいしそうなので何回かテイクアウトしましたが、外見はおいしそうでも中にドロドロのジェロが詰まっていて、切り分けられないものもありました。広告を見ても中身が見えませんね。



アメリカ


一方、明月堂の広告では、銘菓「通りもん」をはじめとして、半分に切って中身が見えるようになっています。



日本


お菓子の説明も、それぞれ何を使って作ったのかが丁寧に書かれており、モンドセレクションなど数々の賞によって、おいしさを裏づけています。また、一個一個が包装されていて食べやすいですね。特にカステラは、均等に直方体に切られていて、見た目も、とてもきれいです。



キャッチコピーは、マリー・カレンダーの「60周年記念、今ならパイが丸ごと5.99ドル! 早い者勝ちだよ、レッツゴー!」に対して、明月堂の「博多の心を贈りましょう」。安さで売り込む実用的アメリカと、心を大切にする日本の違いが出ていますね。大雑把ではあるけれど、丸ごとでダイナミックなアメリカのお菓子と、几帳面でやさしさのこもった日本のお菓子、あなたはどちらを選びますか。 


HP担当者 | | 23:28

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