日野資成教授のアメリカ留学レポート Part14

今回は、果物などが1年をとおして豊富に取れる場所の日米比較をします。日本の代表として福岡の岡垣町、アメリカの代表としてカリフォルニアのブレントウッド(Brentwood)を取り上げます。現代文化学科浮田ゼミの学生が作った岡垣町のパンフレットと、私の持ち帰ったブレントウッドのパンフレットを比べてみましょう。

まず、取れる果物としては、岡垣町はいちご・みかん・ぶどう・びわ・いちじく・キウイなど。一方ブレントウッドは、いちご・マンダリン・ネクタリン・メロン・プラム・ぶどう・いちじく・りんご・アプリコット・かき・もも、さくらんぼ、なし、などです。その他野菜もいっぱい取れます。種類ではブレントウッドの方が断然優っていますね。アメリカの広大で肥沃な土地にはかないません。しかし、パンフレットの体裁はどうでしょうか。

まず、表紙を比べてみましょう。(写真1、2)。

写真1
 
写真2


岡垣町のパンフレットでは、母と子でぶどう狩りをするなどの写真にひきつけられます。一方ブレントウッドのパンフレットでは、りんごやぶどうのイラストが印象的ですが、写真はありません。Harvest Timeというタイトルは、感謝祭の収穫を思い出させます。

次にパンフレットを開いてみましょう。(写真3、4)。

写真3
 
写真4


岡垣町のパンフレットは、生産者の人や果物の写真満載、祭りのカレンダーもあって、とてもにぎやか。思わず行きたくなってしまいます。また、「完熟いちごの見分け方」、「健康のためには一日200グラムの果物が必要」など、細やかな心遣いがあふれています。裏面の地図も大きく、イラスト入りでとても見やすいです。一方ブレントウッドのパンフレットは、外側の宣伝は目立ちますが、肝心の農園の説明は活字ばかり。それぞれの農園の場所を示す真ん中の地図も大ざっぱです。全部で38ある農園の説明には、住所・電話番号・果物などの取れる時期といった必要最低限の情報があるのみ。あとは、自分で連絡を取ってご自由にどうぞ、これがアメリカ式です。

懇切丁寧で、見た目にも分かりやすく情報提供をしてくれる日本と、必要な情報は自分で探しなさいというアメリカの違いがよく出ています。ただでさえ方向音痴の私は、ブレントウッドのおおざっぱな地図では、とても目的地にたどり着けそうもありません。でも、自分の地図を頼りに目的地に着く独立派の人には、こんなパンフレットでも十分でしょう。みなさんは、どちらのパンフレットを選びますか。


HP担当者 | 教員スタッフの活動 | 12:22

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