私は、母校の中学校で3週間、計24時間国語の授業を担当しました。私の場合、必ずしも教師を目指していたわけではなかったのですが、4年間通して免許取得を目指すことで何か得るものがあるのではないかと思い、教職課程を履修し始めました。人前で話すことに慣れているわけではないので、私は事前の準備に多くの時間を費やしました。実習中も、授業の前日はいつも深夜まで職員室に残って教材研究をしていました。それでも、話を聞いてくれない生徒がいるときはとても落ち込んだし、誰に対してでもない苛立ちも感じました。
私は高校から大学へ進学し、これまでずっと受け身で授業に参加してきて、話す人の気持ちを考えることなんてありませんでした。しかし、実習に行き、生徒の前では「先生」、先生方の前では「学生」という中立の場にいることで、両者の立場での思いを知ることができました。生徒が飽きないようにテンポよく話したり、大事なところを強調したり、より多くの生徒に発言の機会を与えたりと、授業を進行しながらも、生徒の様子に合わせた対応をすることが毎日の課題でした。
どれくらいの生徒に、私の言葉が伝わったかはわからないけれど、初めの1週間と最後の1週間とでは、生徒の顔つきも、教室の雰囲気も全く違っていたと思います。実習に行って、生徒とかかわることで、自分自身を振り返るいい機会になりました。きつくて途中でやめたいと思ったこともあったけれど、最後まで頑張ってよかったと本当に実感しています。(星野さん)
HP担当者 | 国語教職への道 | 20:16