アメリカ留学中の日野資成教授からの報告 Part2

アメリカに来て、早いものでちょうど半年がたちました。9月の終わりには、スタンフォード大学も秋学期の授業が始まり、私も論文を書き進めていましたが、突然椎間板ヘルニアになってしまい、今は腰痛のリハビリ中です。

8月の終わりには、下の娘の中学校、上の娘の高校の秋学期も始まりました。それぞれの学校では、Back-to-School-Nightといって、夕方から夜にかけて保護者が学校に出かけ、先生と顔合わせする行事がありました。子供が勉強するのと同じ教室に分刻みで移動し、そこで待っている先生の説明を聞くというせわしない行事でしたが、子供が教室移動するのがイメージできました。

それぞれの教室が先生のオフィスになっていて、教室には先生の名前も張ってあります。日本の学校と違って、毎時間教室を移動し先生も変わりますが、毎日同じ時間割で、必要な科目を集中的に学習します。高校は大学と同じ単位制、中学は必修科目が大部分ですが、美術・コンピュータ・音楽は半年ごとに1科目ずつ取る選択制です。

どちらの学校も毎日宿題の山で、生徒は休む暇がないほど勉強させられます。数学は4段階、英語と理科は2段階の能力別クラス編成になっていて、成績次第で2ヶ月ごとにクラスが上がったり下がったりします。私も時々下の娘の算数と理科の宿題を手伝って、頭の体操をしています。各科目の成績の途中経過は逐次コンピュータで確認できます。宿題や小テストが頻繁にあり、成績も刻一刻と変動し、生徒は自分の成績に一喜一憂しています。

エクストラポイントがもらえるエクストラの宿題があったり、授業の中には、生徒1人1人から1ドル集め、2人1組でプレゼンテーションをして生徒と先生で審査し、一番上手だったペアが山分けするという例もあります。日本では考えられませんね。とにかく、こちらでは生徒のやる気を引き出す工夫が満載です。また、がんばればがんばっただけのご褒美があります。

毎日集中的に勉強するので、週の半ばの水曜日だけは1時間遅れで授業が始まります。生徒はここで少し中休みができます。先生はその日も早く通勤し、水曜の1時間目は職員会議です。2時間目からは授業があるので、会議は1時間で必ず終わります。とても合理的ですね。

今住んでいるところは、シリコンバレーのど真ん中で、少し車を走らせると、コンピュータの会社が林立しています。コンピュータ技術は世界の最先端にあり、特に優秀なインド人をよく見かけます。理系の学問と英語ができれば世界を制す、といっても過言ではありません。日本も一刻も早くゆとり教育から脱却し、教科を絞って集中的に勉強させるべきです。そうしないとどんどん世界から取り残されていくのではないかと思います。私も取り残されないように、勉強がんばります。

では、みなさんも秋学期を元気で過ごしてください。

HP担当者 | 教員スタッフの活動 | 00:58

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