私は4歳まで青森県の弘前市に住んでいて、津軽弁をしゃべっていました。今でも、津軽弁を聞くと懐かしい思いがします。青森県青森市では毎年10月23日、「津軽弁の日」と題して、津軽弁による短歌や俳句、詩のコンクールが行われています。その入賞作品を紹介します。
「嫁さ来て しゅどさつかえで 嫁もらて 嫁さつかえで 終わるのだべか」。
標準語訳は、「嫁に来て 姑(夫の母)に仕えたかと思ったら、今度は自分の息子が嫁をもらってその嫁に仕えて、仕えてばかりで一生を終わるのだろうか」となります。ユーモアたっぷりの津軽弁和歌ですね。
私の書いた日本語学の教科書『ベーシック現代の日本語学』(ひつじ書房)が、いよいよ2009年4月に出版されます。ひつじ書房HP「これからでる本」にアクセスしてください。
http://www.hituzi.co.jp/books/438.html
これは、10年間私が福岡女学院大学で教えてきた講義をもとにして書いた本で、私の日本語学の講義のすべてで使えます。わかりやすく、しかも楽しく日本語を解説しました。冒頭で紹介した「津軽弁の日」の和歌は、第11章「社会言語学」に出てきます。
第8章「日本語文法」では、外国人に教える日本語文法を紹介しました。アメリカで日本語を教えていたとき、アメリカ人の日本語学習者から「『お湯を沸かす』はおかしい。『水を沸かす』が正しいのではないですか」と聞かれたことがあります。英語でもboil water(水を沸かす)だし、確かに沸かすのはお湯ではなく水ですよね。こんな質問をされたら、みなさんはどう答えますか。答えはこの本の第8章あります。
第12章「ことば遊び」では、私の作った親父ギャグや、「ころもへん」のつく漢字の覚え方などを紹介しました。同じく私の作った折り句和歌や年号記憶術もあります。みんなユニークで覚えやすいですよ。
方言も、日本語文法も、ことば遊びも、これまでの日本人が現代に伝えてきた財産であり、現代の日本文化といえます。現代文化はことばを抜きにして語ることはできません。私の講義では、現代文化を、日本語ということばをとおして考えます。
HP担当者 | 教員コラム「私が考える現代文化」 | 15:51