日野資成教授のアメリカ留学レポート Part8

今回は、 2007年に1年間研修したスタンフォード大学のレポートです。学生たちは、広大なキャンパスをマルガリータという無料バスや(写真1)、自転車で移動します(写真2。駐輪場はキャンパスの至るところにあります)。

写真1

写真2


さて、冬学期(2008年1月から3月)は、リックフォード教授による社会言語学(Sociolinguistics)の講義に参加しました。先生は、毎回パワーポイントやOHP、ビデオを駆使して、たいへん変化に富んだ講義でした。また、アメリカの授業では珍しく、ほぼ毎回出席を取っていました。「言語接触(Language Contact)」の講義では、先生がいきなり「英語以外の言語を話せる人は手を挙げて」と言い、その場で二人の学生が手を挙げました。一人の女子学生はロシア語、もう一人の男子学生はアラビア語です。先生はその二人に前に出てもらって、「初めて出会ったと仮定して、何でもよいから話しなさい」と言いました。二人の学生の話す言語はロシア語とアラビア語。お互いに話しかけますが、全く意志が疎通できません。でも、身振り手振りで何とかコミュニケーションを取ろうとしています。どうも、アラビア語の学生がロシア語の学生の持っている何かがほしくて、最後はどうもそれを買ったようです。二人の会話が終わると、他の学生にも、何の話をしていたのか当てさせました。違う言語を持った人が接触した場合にどうなるのかを学生に実践させるというもので、具体的でわかりやすかったですが、即興で演じた二人の学生はすごいと思いました。
ある日の授業では、学生が「今日はいい天気だから外で授業をしませんか」と言ったので、先生はその場で決を採りました。賛成多数だったので、その日の授業はメモリアルチャーチの裏手にある石のベンチで行われました(写真3)。このオープンさもアメリカ的ですね。

写真3
アメリカの大学の講義は少人数のクラスが多く、論文を書くにあたって、先生から細かい指導を受けることができますが、かなり厳しい指導です。学生同士や先生との議論も盛んで、積極性がとても重視されます。その点、日本の大学では大人数の講義が多く、学生は安心して講義が受けられます。また、ゼミも和気藹々とした雰囲気で行われる場合が多いですね。みなさんは日米の大学のどちらを選びますか。

HP担当者 | 教員スタッフの活動 | 16:18

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