実習レポート
福岡女学院看護大学では、看護職者としての心構えや臨機応変な対応力を養うために、第一線の医療現場で実習を行っています。1年次から実習カリキュラムに沿って、確実にステップアップ!在学生が前学年を振り返って実習内容を紹介します。
臨地実習に要する科目を修了した3年生の「ステューデントナース認証式」を行います。
一人ひとりが看護職者をめざす決意を新たにし、学ぶことへの意気込みを胸に抱き、指導協力いただく実習先病院や施設へ向かいます。
(2012年8月撮影)
6月に実施する学外見学で看護の対象者が個別性をもった生活者であることを理解し、また看護職者としての心構えなどを学びます。
呼吸器病棟を見学し、入院している患者さんとお話させていただきました。病気の苦しさを話す患者さんに、私は「それは本当に辛かったですね」としか言えず何もできませんでした。でも、患者さんは笑顔で「聞いてくれてありがとう」と言ってくださいました。このとき、あらためて看護職の素晴らしさを感じ、また、責任感も強くなったように思います。そして、患者さんへの共感・受容の大切さを学びました。
患者の日常生活行動の観察やコミュニケーションを円滑にはかり、一人の受け持ち患者を通して実践的な仕事を体験することで、患者の快適な療養生活を営むために必要な援助を実践できるよう、看護専門職者としての基本的態度を養います。
私が実習で担当した患者さんは、明るく振る舞いながら「辛い」と口にされる方でした。最初はどう接して良いのか分かりませんでしたが、ゆっくり話をしてみたところ、不安な気持ちがあることを打ち明けてくださり、「話せて良かった。これからもがんばるよ」と言ってもらえました。実際に患者さんと接する実習は、大変なことも多いですが、学ぶことはそれ以上にたくさんあると思います。
より実践力を高めた実習を行うことで、患者の各健康のレベルに応じた看護が展開できる基礎能力を習得します。また各看護学実習を通して患者・家族に対する看護専門職の役割や、患者が在宅で快適な療養生活を営むために必要な支援と継続看護について学びます。
手術を受ける患者さんを受け持つことになった実習で、手術前に不安を少しでも和らげてあげられるよう声をかけたり、手術後に今後の生活について一緒に考えたり、患者さんがいま何を感じ、何を必要としているのかを知ることが大切だと学びました。これからもこの経験を忘れずに、それぞれの患者さんの気持ちや立場を理解し、個別性のある看護ができるようになりたいと考えています。
実際に在宅看護を経験したことで、生活の場にあるものを使用し、工夫する必要性をあらためて理解しました。服薬管理が上手にできない患者さんに、机の上に飲み忘れないための薬置き場を作ったところ、「これがあれば忘れないね」と言っていただいたことは、いまでも励みになっています。
3年次に引き続き、専門領域の実習を行います。4年次には、看護学総合実習で、看護職者としての今後の目標を明確にしていきます。
3歳男児の患者さんを受け持った実習が、特に印象に残っています。はじめはなかなか馴れてもらえず悪戦苦闘。でも、コミュニケーションに遊びを取り入れることで、少しずつ受け入れてもらえるようになりました。小児は症状が変化しやすく、回復も早いため、予測する力やイメージする力が必要です。
対象が「成人」ではなく「小児」となったときの看護の違いを実感できたことで視野が広がり、迅速な対応がいかに大切であるかも学ぶことができました。
地域住民の健康指導などを行う公衆衛生看護は、地域全体を把握しながら周囲と協力していくことが大切です。住民に愛される保健師になるための心得や、地域全体を見ることの大切さや難しさなど先生方の背中を見ながら、やりがいのある仕事だと感じました。実習によって学びがさらに深くなり、保健師国家試験の勉強にも役に立ったと思います。海外勤務をめざす私にとって、多くの方との出会いが今後に生かせると考えています。
※ 保健師コース選択者のみ。2012年度入学の学生から保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正に伴い、「地域看護学」は「公衆衛生看護学」に変わりました。