2013年12月12日
「国際協力」の魅力、それは誰かの役に立てること、
そして誰かに喜んでもらえること
今回は、ICDの学びの3分野の一つである「国際協力」について、ICD学科長の南川教授にインタビューしたいと思います。
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Q1: 「国際協力」について、現在先生が関わっている活動について教えて下さい。
現在、アジア教育開発という団体で主にカンボジアの二つの孤児施設への就学支援を行っています。
その他にもスラムの学校や子供病院に文具や衣類などの支援も行っています。
また年に一度スタディー・ツアー行っています。このツアーではカンボアジアの孤児施設でボランティア活動を行ったり、ポルポト時代・内戦時代を垣間見ることができる施設を訪れて関係者から講義を受けたりもします。もちろんアンコール遺跡も訪ねます。
後半は歩いて国境を越えてタイに入ります。タイでは旧日本軍が捕虜を使って鉄道橋を建設し、映画にもなったカンチャナブリまで足を伸ばします。ミャンマーとの国境ではエレファント・キャンプも訪ねます。
ほんの二週間の旅ですが、参加者は多くを学びます。
Q2:「国際協力」との出会いは?
(どのようなきっかけで、活動に従事するようになったのですか?)
最初のきっかけを作ってくれたのはフィリピンでした。
交換留学の問題解決のために訪れた大学で「平等とは何か」を考えさせられました。
「日本人の学生にはフィリピンに行く飛行機代も寮費も大きな問題ではないかも知れないが、フィリピン人の学生にとっては大問題だ」
「そっちから見た平等は、こちらにとっては平等ではないことだってある」
こう言った大学の学長さんは、タイに行くように薦めてくれました。
ある人物の名前と電話番号を持たせて...。
その人物は私の親友になりました。もう30年近くも前のことです。
彼は貧しい家庭に生まれ、本人の努力と周囲の援助で医者になります。すぐに故郷に戻って医療活動を行います。この活動には様々な国から支援や賞が与えられました。
その後、政治家になり、文部大臣や外務大臣も勤めましたが、いつまでも貧しい村医者で農村開発実践者です。
カンボジアの支援を始めたのは10年程前ですが、これも彼と二人で決めたことでした。
Q3: 先生にとっての「国際協力」の魅力とは?
自分が必要とされていることを感じることができることです。人にとっては誰かの役に立てること、誰かに喜んでもらえることが何よりも嬉しいことだと思います。
そして日本では考えもしなかったことを知らされたり、考えさせられたりすることです。「正しい」という判断も立場によって変わるのだということもイラクのバクダッドで知らされました。
私たちにとってのバイブルとも言うべき言葉があります。
それはDr. James Yen の言葉ですが、
Go to the people
Live among the people
Learn from the people
Start with what they know
Build on what they have
Teach by showing
Learn by doing
Not a showcase but a pattern
Not odds and ends but a system
Not relief but release
Of the best leaders
When their task is accomplished
The people all remark "We have done it ourselves"
そして、これは私の親友の口癖 "To lead is to Serve." "To lead is to follow."
Q4:高校生、大学生の皆さんへのメッセージをお願いします。
自分の生きる道を見つけてください。そのためにはたくさん知らなければなりません。
沢山経験をしてください。たくさん本を読んでください。
1人が経験できることはほんの僅かだけれど、本を読むことでその中の人物と同じ経験をしたり、同じように悲しんだり、喜んだりすることができます。そうして人生は豊かになって、優しい人になることができると思います。
いい人になってください。たくさん疑問を持って下さい。たくさん考えてください。
世界がもし100人の国だったら、大学に行ける人は1人だけ。70人は字が読めません。