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国際キャリア学部 国際英語学科

  川端 清隆 氏
国際連合本部政治局政務官(安全保障理事会担当)。
本年度後期より本学の国際キャリア学部教授として就任予定。

グローバル化が進む今日、世界との関わり抜きでは将来を見通せない時代となりました。次代を担う日本の若者には、視野を海外に広げて、世界の中で生きる覚悟が求められています。

これまで私たちは、国境に守られてきました。しかし、資本、技術や人材が自由に行き交うボーダーレス時代では、何処にいて、どんな職業に就いたとしても、厳しい国際競争の荒波にさらされます。IT(情報技術)革命により、インフラや資本の乏しい国々の若者でも、才覚さえあれば互角に競争できるからです。激化する競争は既に、日本の安定を支えた終身雇用や年金などの諸制度を根底から揺るがしています。こんな時代を生き抜くためには、これまでの「内向き」な姿勢を改めて、国際社会と正面から向き合わねばなりません。

時代の変革は、新たな機会の到来でもあります。これまで私たちは、偏差値、男女差や年齢差など、日本でしか通用しない「常識」に縛られてきました。しかしグローバル化の時代にあっては、既存のしがらみから解放され、まっさらな白紙の上に自らの将来を描くことができます。例えば、私が今働いている国連本部では、職員の男女比の等分化を目指して、女性の雇用が進んでいます。実際、生まれたばかりのひ弱な平和を守る平和維持から、難民キャンプで汗を流す人道支援、平和の定着を助ける選挙監視に至るまで、いまや女性に任せられない国連ポストはありません。国際社会での活躍を志す若者にとって、性別を問わず実力さえあれば、自由に職業を選べる可能性が無限に広がったのです。

変革に対応するため、大学教育の国際化が急がれています。一人の人間としての個性と実力が問われる時代にあって、問われるべきは「国際化」の中身です。もとより、国際語である英語の修得は必須です。しかし、それだけでは国際社会で通用しません。何を伝え、何をなすのか、大学の四年間でじっくりと国際交流の本質を学ぶ必要があります。

国際化の一助となるため、私はこの秋から教鞭をとる予定です。教育の現場では、国際キャリアの追求を念頭において、理論と実践を両立させた指導を試みます。国際機関、NGO、メディア、地方自治体、大学職員、海外駐在員や外資系企業など、世界とつながる仕事は数限りなくあります。志さえあれば、努力次第で夢を実現できるのです。

自らの可能性を信じ、限界に挑む気概のある学生と、教室で会える日を楽しみにしています。