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施設情報 臨床心理センター 地域との交流・地域支援活動

特別支援教育事業

当センターは、地域の小学校と提携し、特別なサポートを必要とする子どもたちに対して、よりよい学校生活適応を目的に「専門的サポーター」を派遣、学校生活に密着した支援を行っています。(本事業は、本センターと小学校との契約に基づくもので、個人による依頼は受け付けておりません。)

事業の内容

本事業は、専門的サポーター(臨床実習員)が学校現場に直接入り、対象児童に対して個別的に心理援助を行うものです。事業の目的は、学校生活適応であるため、個別対応でありながら、専門的サポーターがクラス全体に馴染み、適度な距離を保ちながら適切な関わりを通して対象児童の仲間関係、先生との関係をサポートすると同時に、授業にも適応するように支援しています。さらに、担任の先生との打ち合わせ、毎回活動後にファックス通信による保護者とのやりとりを行い、その活動内容を保護者・教員と共有することによって、学校生活を中心に児童を支援する人的環境の連携および向上を図ります。

保護者の声

『私の息子は、優先順位がつけにくかったり、お友達との関わりが上手でなくトラブルになってしまうような子どもですが、サポーターの先生が上手に優先順位をつけやすいようアドバイスしてくださったり、給食の時間等おともだちとの会話の中でさり気なく本人の話が弾むようにして下さいました。また、最初の頃はお友達とトラブルになってしまった際に間に入って一緒に解決してくださっていましたが、6年の最後の方では、本人がどうすれば良いかを考え、行動できるようにサポートして下さいました。その結果、以前ならトラブルになってもそれで終わりだったのが、相手がどう思っているのか等考えるようになり、本人なりにお友達とうまくやっていこうと頑張る姿が見られるようになりました。また、クラスのお友達と気持ちを共感しあって楽しそうにしている場面をお手紙(ファックス通信)を通して知ることができ、本当に嬉しかったです。人と上手に関わることが苦手なこの子にそんな日が来るなんて、ちょと前までは思ってもみなかったのです。サポーターの先生のお手紙の中には、私の知らない子どもの素敵な一面を垣間見る事も多く、本当にありがたい事でした。いただいたお手紙は今でも私の大切な宝物となっています。』

小学校教員の声

『サポーターが専門的教育を受けているため、漠然と子どもを見ているわけではなく、どこに課題(問題)があるかを見ることができている。また、サポーターはすぐに子どもを援助してしまうのではなく、まずは受け止め、受容することを行なっており、子どもが安心して自分を表現できるし、受け止めてもらえる感じが持てている。さらに、保護者、小学校、臨床心理センター間の連携がこの事業を良いものとしている。毎週サポーターが提出するレポートに記載された専門的視点が参考になり、それらを皆が共有し、ともに考えることができる事業である。』

子育て支援事業

当センターは、福岡女学院幼稚園と提携し、母親のリラクセイション教室を開いています。本学教員を中心に展開されている新しいリラクセイション療法である、サート(Self-Active Relaxation Therapy;主動型リラクセイション療法)を用いて、週1回、福岡女学院幼稚園 子育て支援施設 森のおうちを会場に、臨床実習員が1対1で母親のリラクセイションを援助し、心身の活性化、子育てへの意欲と自信感の向上、ストレスケア等の効果をもたらしています。年間3期に渡って、1期につき6回のセッションを行っています。希望者は年間延べ30人程度で、参加者からは積極的な支持を得ています。

ダウン症児の会

当センターでは、サートの提唱者である本学教員大野博之教授のもとに、ダウン症児の母親が定期的に集まり、サートによる発達援助を受けています。母親の自発的要望により月1回、定期的にサート面接を受け、母親自身もお子さんとの関わり方、援助の仕方を学んでいます。