表現学科特別公開授業開催

「細胞が惚れる音」を聴いたことがありますか?


11月21日金曜日 福岡女学院大学のとある教室。

数十人が集まったその場所で、世界トップレベルの音は解き放たれました。

音の源流は小さな2つのスピーカー。



一見、何の変哲もないスピーカーを創ったのは宮原誠氏。

中央大学研究開発機構教授 兼 北陸先端科学技術大学院大学名誉教授であり、

JPEGやMPEGの基礎技術や衛星BS放送の主流であるハイビジョン方式の技術を確立

した研究チームの1人。

そして、世界トップレベルのオーディオ機器Extra HI System M開発者です。



今回は金藤ゼミの3・4年生を対象とした表現学科公開社会人特別授業の特別講師

として本学にお招きしました。また、JAISTからも三井実博士にお越しいただきました。

宮原教授は「演奏者が伝えたい、命がけの演奏のこころを忠実に伝達したい!!」との

思いから、莫大な費用と時間をかけ今回の機器を開発されました。また、宮原教授は日本人の感性と情緒力の低下を危ぶんでおり、それらを忠実に再現できる道具で深い感性を

刺激し、日本の情緒文化再生の力になれればともおっしゃっていました。

深い感性こそ21世紀の日本人が誇れるものだから、と。



講義の中に一貫してあったテーマは「深い感性」。

宮原教授は何度も繰り返し口にされていました。それを軸にアウラ(感動・感性)や音の質の

違い、オーディオ機器がもつべき本来の役割、現行オーディオへの不満、本能的感動、

日本人の美意識など様々な角度から感性について説明してくださいました。そして、些細な音の違いによってどれだけ影響があるのか、実際に音楽を流しながら体験させて頂き

ました。



スピーカーから流れてきた音楽は、身体と心で「感じる」という表現こそが正しいと思わせるものでした。耳を傾けて聞くのではありません。細胞が聴くのです。意識ではなく身体が音楽を求めてざわめくのです。宮原教授も「耳ではなく身体で感じて聴いてごらん」とおっしゃっていました。なかには、音楽が流れると血がドクドクと脈打ち冷たくなっていた手が温かくなったという人もいました。

大音量で音楽を聞くとき、高音が耳にキンキンと響き頭が痛くなった経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。また、クラシックなどを聞いているとき急に音が大きく鳴り、慌ててボリュームを下げたなんて経験もあると思います。

 けれど、このオーディオでそんなトラブルはありませんでした。音は必要なだけ、

まるで指揮者の求めに応えるオーケストラのように自然と大きく鳴り響きます。けっして小さくない音量にも関わらず、不快には全く感じませんでした。いつも勉強をしている

教室にいながら、その時にその場所で演奏者の息遣いや雰囲気もそのままに、目の前で

演奏が行われているかのように生々しく音を感じることができました。音楽が鳴りやんだあとの余韻さえも現実の「音」のようでした。他のオーディオでは演奏が終わり、少しでも間があると「あれ、終わった?」と物足りなく思いますが、それが全くありません。

むしろ、演奏後の余韻の静寂すらも心地よい「音」だと感じました。

 

宮原教授による講義は2時限目、3時限目と2回にわけて行われました。そして、

3時限目終了後には場所を移しての親睦会が催され、生徒たちとの交流を深めました。

一般の方も参加しており、皆さん興味深そうに宮原教授の話に耳を傾けていました。



 宮原教授、お忙しいなか時間を割いて本学へお越しくださり誠に有難うございました。

「細胞が惚れる音」が世の中を満たす日を楽しみにしております。


HP担当者 | ニュース | 13:13 | Comment (0)

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