2012年03月09日
東日本大震災から一年を迎えて
昨年3月11日、東日本の大震災、洪水、それに伴う原発事故発生以来一年が経過しようとしています。日本のみならず、世界中の人々がその被害の規模に大変な驚きを持つと同時に復旧、復興のために様々な協力を惜しみませんでした。ここで、まず震災で尊い命を失われた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。そして、ご遺族の方々に大きな慰めと平安がありますようにお祈りいたします。
福岡女学院として被害に遭われた方々のために何かできないだろうかと話し合い、もし東北地方からの転園、転校などの希望がある場合には受け入れようとの方針を決めました。実際には幼稚園に転園された園児がありました。また、その他に学院としての募金活動に止まらず、各学校での募金活動は迅速に行われ、現在も継続しています。また震災の現地に赴いて様々な形で支援活動を実施された教職員、大学院臨床心理学専攻の方々の活動もありました。前年度年間聖句にある「互いに重荷を担いあう」ことの実践であったと思っています。
人間の記憶、想いは時間の経過の中で風化していきます。しかし、被害の実態、被害に遭われた方々の困難やくやしさは決して風化することはありませんし、むしろ時間とともに深くなっていくと思われます。このことをよく心に留めたいと願っています。そして、私たち福岡女学院にかかわる教職員がこれまでと同様、これからも被災地のことを覚え共感を持って共に歩み、重荷を担いあう気持ちを持続させたいと願っています。
震災一年目に当たり、学院として特別な企画をしてはおりませんが、一人一人が3月11日当日に被災地の人々への共感を新たにしていただき、その思いを持ち続けられるようにと願っています。
2012年3月9日
福岡女学院院長 木ノ脇 悦郎